フォワードヘッド姿勢の改善に効果的なピラティスチェアエクササイズ
今回は、フォワードヘッド姿勢の改善に効果的なピラティスチェアエクササイズを、機能解剖と併せてご紹介いたします!
フォワードヘッド姿勢のデメリット
スマートフォンやパソコンといったデジタルデバイスの長時間の使用や運動不足によって、猫背姿勢に悩んでいる方が近年増えています。
なかでも多いのが、頭が前に出たフォワードヘッド姿勢。
フォワードヘッド姿勢の明確な定義はありませんが、一つの目安としては、姿勢の基準として使用されることが多い、「肩峰の中心よりも耳孔が前に出た状態」を指すことが一般的です。
フォワードヘッド姿勢になると、猫背姿勢に見えるだけではなく、首こりや肩こりにもなりやすくなります。
頭や首を支える筋肉への負担を、通常の姿勢とフォワードヘッド姿勢とで比較すると、肩よりも頭の位置が5cm前に出ると2倍、10cm前に出ると4倍にもなると言われています。
ただでさえ、5~6kgもある重たい頭を支える頭頸部の筋肉への負担は大きいのに、フォワードヘッド姿勢になるほど負担が増加するわけですから、首や肩の筋肉には疲労が溜まりそうですよね。
なお、肩峰の真上に耳孔がある状態でも、頭部の重心は支点となる環椎後頭関節よりも前方にあるため、いわゆる良い姿勢でも常に頭部には前方へ回転する力が働いており、抗重力下で頭頸部の筋肉は常に頑張ってくれています。
上位胸椎屈曲位の改善が重要
それでは、フォワードヘッド姿勢を改善するためのポイントについて確認していきましょう。
フォワードヘッド姿勢では、頸椎の生理的前弯が失われて頸椎が真っすぐな状態、いわゆるストレートネックになっていることが多くあります。
このような場合、頸椎の下側にある上位胸椎が過剰に屈曲していることが多いので、頸椎本来の前弯を取り戻し、フォワードヘッド姿勢を改善するためには、上位胸椎へのアプローチが必須です。
ただ、上位胸椎のアライメント改善のためには、先に下位~中位胸椎や肋骨への介入が必要なので、そちらについては、下記の記事をご参照ください。
今回は、ピラティスチェアを活用して上位胸椎の伸展を促し、フォワードヘッド姿勢を改善するエクササイズとして、スワンon the topご紹介いたします。
ピラティスチェアを活用したスワン on the top
スワンon the topは、床面で行うスワンに比べ、支持基底面が少なくて不安定な状態でのエクササイズとなる為、複雑性が増してより高度な身体コントロール能力が求められます。
そのため、マットやピラティスリフォーマーでのスワンに慣れてきた方にオススメのエクササイズです。
・座面から”みぞおち”が少し出る位置にうつ伏せになります。
・足部から頭部までが一直線になる位置がスタートポジションです。
・スプリングの張力を利用して胸椎を伸展させたら、ゆっくりとスタートポジションまで戻りましょう。
胸腰椎移行部が過剰に伸展する
腰椎部や下位胸郭の安定性が低下していると、胸腰椎移行部を過剰に伸展しやすくなります。そのような場合は、先に腰椎部や下位胸郭の安定性を高める種目を実施しましょう。
動きを上手くコントロールできない
ピラティスチェアでのスワンは、不安定性が高く、身体コントロールが難しい種目です。上手くコントロールが出来ない場合は、マットやピラティスリフォーマーでのスワンを行うようにしてください。
エクササイズフォームが安定してきたら、胸椎と頸椎の回旋運動を加えることで、三半規管の活性化にも効果的ですので、バリエーションとしておすすめです!
今回は、ピラティスチェアを活用したフォワードヘッド姿勢の改善エクササイズとして、スワン on the top をご紹介いたしました。
フォワードヘッド姿勢を改善するためには、上位胸椎の伸展を促すことが大切です。
マットやピラティスリフォーマーでのスワンに慣れてきたら、ピラティスチェアでのスワンも取り入れ、様々な環境下でも上位胸椎伸展のコントロールが出来るようにしていきましょう!
ピラティスやフォワードヘッド姿勢についてオンラインで学ぶ
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最後までお読み頂き、ありがとうございました。
理学療法士
中北貴之