足部アーチ機能向上におすすめのピラティスリフォーマーエクササイズ
立位姿勢や歩行の改善のためには、地面と唯一接している足部のアーチ機能が大切です。
今回は、足部のアーチ機能を高める為におすすめのピラティスリフォーマーエクササイズについて、機能解剖学も交えながらご紹介いたします!
足部アーチに重要な筋肉
足部には、「内側縦アーチ・外側縦アーチ・横アーチ」と、3つのアーチがあります。
これらの足部アーチが柔らかく“たわむ”ことで荷重時の衝撃を吸収し、反対に足部アーチが緊張することで足部の剛性を高め、移動のために必要な推進力を形成しています。
それぞれのアーチを支えるために、様々な骨・靱帯・筋が関わっていますが、いきなり全てを覚えるのは大変だという方は、まずは後脛骨筋と長腓骨筋だけを覚えて頂くこともおすすめです。
後脛骨筋の作用:足関節の底屈+内転+内返し
長腓骨筋の作用:足関節の底屈+外転+外返し
なぜ後脛骨筋と長腓骨筋なのか?
それは、足部のアーチ機能に重要な「クロスサポートメカニズム」に関わっているからです。
クロスサポートメカニズムとは、後脛骨筋と長腓骨筋の協調した活動による、足部を安定化させるためのシステムのことをいいます。
後脛骨筋は下腿内側から足底へ、長腓骨筋は下腿外側から足底へと、それぞれが足底部で交差(クロス)するように走行しており、足関節底屈時における回内-回外の制御やアーチの引き上げに関わっています。
このように、クロスサポートメカニズムは足部のアーチ機能にとても重要なシステムなので、それに関わる後脛骨筋と長腓骨筋を、まずは覚えておくことがおすすめです!
ウインドラス機構
クロスサポートメカニズムと共に、足部のアーチ機能を高める為に重要な役割を担っているもう一つのシステムが、「ウインドラス機構」です。
ウインドラス機構とは、中足趾節関節を伸展することにより、足底腱膜が遠位へ巻き上げられて内側縦アーチが拳上する現象のことです。
歩行では、プッシュオフの際に足趾が背屈することにより足底腱膜が巻き上げられ、足部アーチが挙上して足部の剛性が高まることで推進力が向上し、効率の良い歩行が実現しています。
ところが、このウインドラス機構が破綻していると、プッシュオフの際に力の伝達効率が悪くなって推進力が低下してしまうため、下腿三頭筋・後脛骨筋・長腓骨筋などの足関節底屈筋群、大腿四頭筋・大腿筋膜張筋などの股関節屈曲筋群を過剰に使用することになります。
そうすると、ふくらはぎや太ももが疲れやすくなるのはもちろん、筋が太くなってスタイルの崩れにもつながりそうですよね。
ウインドラス機構には、足底を覆うように存在している足底腱膜の緊張が高まることが重要で、そのためには足関節底屈筋群の活動が必要になります。
そこでオススメなのが、ピラティスリフォーマーを活用したエクササイズです!
足部アーチ機能を高めるピラティスリフォーマーのエクササイズ
それでは、ピラティスリフォーマーを使った、足部アーチ機能を高めるエクササイズをご紹介いたします。
上の写真のように、フットワークのエクササイズは、足関節の底屈-背屈動作を繰り返す運動です。
そのため、前述のウインドラス機構が適切に働くようにする効果があります。
また、クロスサポートメカニズムに関わっている、後脛骨筋は「足関節の底屈+内転+内返し」、長腓骨筋は「足関節の底屈+外転+外返し」の作用があるので、両筋を活性化させるにも有効です。
さらにフットワークが効果的な理由として、足関節の底屈運動を膝関節屈曲位で行うことで、後脛骨筋や長腓骨筋と同様に足関節底屈作用がある、「腓腹筋」が抑制された状態になり、後脛骨筋と長腓骨筋の活動量を増加させることができる点です!
腓腹筋は大腿骨から踵骨へと付着しているので、膝関節の伸展と、足関節の底屈の作用があり、二つの関節運動に関与する“二関節筋”に分類されます。
そのため、膝関節屈曲位での足関節底屈運動であるフットワークを行うことで、膝関節伸展に作用する腓腹筋の活動を抑制でき、単関節筋である後脛骨筋と長腓骨筋の活動が高まるというわけですね。
今回は、足部のアーチ機能高める為におすすめのピラティスリフォーマーを活用したエクササイズについて、「クロスサポートメカニズム」や「ウインドラス機構」といった機能解剖学も交えながら解説いたしました。
今回お伝えした内容だけでなく、足部アーチには多くの筋、足底腱膜やバネ靱帯といった靱帯組織、骨のアライメントも重要になります。
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理学療法士
中北貴之