肩を開くために効果的なピラティスリフォーマーエクササイズ
こんにちは。
ピラティスマシンFactoryです。
姿勢改善のお悩みで多いのが「肩を開きたい」というご要望。
そのためには、上腕二頭筋や小胸筋などの筋肉の緊張や伸張性を適切な状態にすることが必要です。
今回は、肩を開くうえで介入することが多い上腕二頭筋の機能解剖と、おすすめのピラティスリフォーマーエクササイズについて解説いたします。
上腕二頭筋の機能解剖
”力こぶ”として有名な上腕二頭筋。
肩甲骨から橈骨にかけて上腕前面を走行している二関節筋で、肘関節の屈曲に作用するだけでなく、肩甲上腕関節の安定化機構としても重要な役割を担っています。
起始部
・長頭:肩甲骨の関節上結節
・短頭:肩甲骨の烏口突起
停止部
橈骨粗面、前腕屈筋腱膜
支配神経
筋皮神経(C5、C6)
作用
・肩甲骨の前傾
・肩関節の屈曲
・肘関節の屈曲
・前腕の回外
ボディメイクという観点では、上腕二頭筋は美しい上腕を創るうえで不可欠で、アームカールは筋力トレーニングの代表的なエクササイズです。
一方、コンディションという観点から上腕二頭筋について考えてみると、鍛えるというより抑制することが多いのではないでしょうか?
上腕二頭筋の短頭は肩関節軸の前方を走行し、肩甲骨の前側にある烏口突起に付着しているので、肩甲骨の前傾にも作用します。
肩甲骨が前傾してしまうと、いわゆる内巻き肩の状態になって姿勢が悪く見えてしまいます。

また、肩関節や肘関節の屈曲、前腕の回外といった関節運動に関わるだけではなく、肩甲上腕関節の安定化機構としても重要な役割を担っている上腕二頭筋。
上腕二頭筋長頭腱は、上腕骨の大結節と小結節の間にある”結節間溝”という溝を通り、肩甲骨や関節唇に付着します。
この長頭腱が上腕骨頭を頭側から抑え込むように作用し、腱板と共に骨頭の上方偏移を防いで肩甲上腕関節の安定化に寄与しているんです。
このような上腕二頭筋による安定化システムを、biceps mechanism(バイセプスメカニズム)と呼びます。
biceps mechanismが適切に機能する為に重要なのが、上腕骨のアライメント。
上腕骨が中間位もしくは外旋位だと上腕二頭筋長頭腱は張力を保てますが、上腕骨が内旋位になると、たわんだ状態になってしまい、骨頭を抑え込む力を発揮できなくなってしまいます。
上腕骨内旋位のアライメントは、”内巻き肩”として姿勢が悪く見えるだけではなく、肩関節の機能にも影響するんですね。
肩関節屈曲の最終域では、肩甲骨の上方回旋、内転、後傾の動きが求められますので、上腕二頭筋の筋緊張亢進や伸張性が低下していると、屈曲運動の阻害因子となり、肩のすくみや、肘が伸びきらないといった代償動作につながることが考えられます。
スワンやスイミングなどで肩に力が入ってしまう場合、上腕二頭筋は要チェックの筋の一つですね。

余暇や仕事での上肢の使い方の多くは、肩甲骨前傾位や肘関節屈曲位になっています。
スマートフォン操作、パソコン作業、書字、食事、カバンを持つ、荷物を運ぶ、カードゲームで遊ぶ、etc・・・
このようなことから、上腕二頭筋は過緊張や伸張性が低下しやすいことが考えられます。
ピラティスリフォーマーを活用した肩を開くエクササイズ
前項では、上腕二頭筋は過緊張や伸張性が低下しやすいというお話をしましたが、改善のためにおすすめのピラティスリフォーマーエクササイズが、リバースプランクです。

リバースプランクでは、胸椎の伸展、肩甲骨の後傾、肩関節の伸展といった運動が必要になるので、上腕二頭筋の抑制に非常に効果的なエクササイズ。
ピラティスリフォーマーを活用することで、マットに比べて強度は高くなりますので、慣れてきた方へのチャレンジ種目として大変オススメです。
代償動作として、肩甲骨の前傾や、肩のすくみが生じないように注意しましょう。
今回は、過緊張や伸張性低下によって肩を前側に引っ張りやすい上腕二頭筋の機能解剖と、抑制にオススメのピラティスリフォーマーエクササイズについて解説いたしました。
肩を開いて姿勢を綺麗にするためだけではなく、スワンやスイミングなど、肩関節の屈曲可動域が求められるエクササイズを適切に行うためにも、ぜひご活用ください!
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
理学療法士
中北貴之