エクササイズ

肩関節の機能向上に効果的なピラティスタワーエクササイズ

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こんにちは。
ピラティスマシンFactoryです。

人体の関節で最も大きな可動域を有する肩関節。

その自由度の高さゆえ、障害の好発部位でもあるので、肩関節機能を適切に維持することは、コンディショニングを整えるうえで大切です。

「最近肩を動かすと痛い」、「腕を挙げると肩がつまる」など、コンディショニング指導の現場でも、肩に関する相談を受けることもあるのではないでしょうか。

今回は、肩の痛みについての考え方と、肩関節の機能向上に効果的なピラティスタワーエクササイズをご紹介いたします。

肩関節は「上腕骨、肩甲骨、鎖骨、肋骨」などの骨が関わり、複数の関節によって構成されている複合関節で、解剖学的関節機能的関節に分類されます。

解剖学的関節
・肩甲上腕関節
・肩鎖関節
・胸鎖関節

機能的関節
・肩甲胸郭関節
・第2肩関節
※機能的関節とは、関節包のような関節構造体はないが、関節の役割をしている部分

一般的に”肩”と言えば「肩甲上腕関節」を指すことが多いですが、これら5つの関節が肩関節に含まれます。

もちろん、いずれの関節も大切ですが、中でも肩関節の主役となるのが、肩甲上腕関節肩甲胸郭関節

小さな肩甲骨の関節面に対して、大きな上腕骨頭が適合する構造の肩甲上腕関節は、骨性の安定性は低いので、関節唇や靭帯、筋などの軟部組織によって補強されています。

肩甲胸郭関節は関節構造持を持たず、肋骨の上を肩甲骨が滑るようにして動く機能的関節です。

そのため、肋骨を含む胸郭のアライメントが、肩甲胸郭関節の機能に大きく影響します。

複合関節として機能している肩関節ですが、痛みの原因となることが多いのは、肩甲上腕関節周囲の組織です。

例えば、腱板損傷は肩のインナーマッスルとして有名な腱板筋群の損傷ですし、肩峰下滑液包炎も上腕二頭筋長頭腱炎も、肩甲上腕関節に関わる組織。

また、かの有名な”五十肩”は肩甲上腕関節の拘縮が主な原因です。

代表的な肩関節疾患
・腱板損傷
・肩峰下滑液包炎
・上腕二頭筋長頭腱炎
・有痛性肩関節制動症(いわゆる五十肩)
・烏口突起炎
・石灰沈着性腱板炎

それでは、なぜ肩甲上腕関節周囲の組織は侵害刺激を受けやすいのでしょうか?

それは、肩甲上腕関節の自由度の高さによります。

前述の通り、肩甲上腕関節は、小さな肩甲骨の受け皿に対して、大きな上腕骨頭が適合する形の構造です。

骨性の制限が少ない分、大きな可動性を有しているわけですが、不安定とも言えます。

安定性を高める役割を担っている筋が硬くなったり、機能低下を起こすことで、動作時の関節の適合性が失われます。

そのような状態が長く続くと、関節唇や筋など周囲の軟部組織を傷つけてしまい、炎症や痛みが生じるというわけですね。

それでは最後に、肩の痛み改善の考え方について確認していきましょう。

繰り返しになりますが、肩は複合関節です。

どこかの関節の機能が低下すれば、自由度が高く、動きを代償しやすい肩甲上腕関節に負担を掛けることになります。

例えば、肩甲骨の動きが低下して肩甲胸郭関節が機能しない。

もしくは、猫背姿勢で上位胸椎が硬くなっていて動かないなど。

このような状態で、バドミントンやバレーボールなどのオーバーヘッドスポーツをしていたり、背中のトレーニングとしてラットプルダウンを行っていたり、ピラティスで考えるとスワンやアームサークルズを行っていれば、肩甲上腕関節にシワ寄せが来てしまいます。

そのため、肩の痛み改善の考え方としては、立位での全身のアライメントはどうか、スタンディングスワンを適切に行えているか、そもそも肩甲上腕関節の可動域制限が無いかなどを評価し、問題点が抽出されたら、そこを改善していくことが大切です。

仮に、スウェイバック姿勢になっていて上位胸椎が過屈曲した姿勢であれば、骨盤帯からアプローチすることが必要かもしれません。

スタンディングスワンで上位胸椎が動いていないのであれば、Re-arch Spineで可動性を高めてからエクササイズに入った方が良いかもしれません。

肩関節の機能向上に効果的なピラティスタワーエクササイズ

パソコンやスマートフォンの使用時間の増加に伴い、肩よりも頭が前に出ている姿勢になっていることが多い現代人。

そのような姿勢では上位胸椎は屈曲位になるので、伸展の可動性が低下しているケースが多々あります。

そこでオススメのピラティスタワーエクササイズが、きゃっとばっくプッシュスルーバー。

きゃっとばっくプッシュスルーバーは、肩関節を屈曲させながら上位胸椎の伸展運動を行うので、肩関節の機能向上に効果的なエクササイズです。

また、手根部でバーを押すことで肩甲骨の上方回旋に必要な前鋸筋を活性化することも出来ます。

肩がすくんだり、胸椎ではなく腰椎が過剰に伸展したりしないように注意しながら行いましょう。

今回は、肩関節の機能向上に効果的なピラティスタワーエクササイズとして、きゃっとばっくプッシュスルーバーをご紹介しました。

肩関節が適切に機能するためには、上位胸椎の伸展や肩甲骨の上方回旋といった動きが重要ですので、コンディショニングエクササイズで機能を整えていきましょう!

なお、肩の痛みは、頸椎からの放散痛、心疾患による関連痛など、肩関節以外が原因になることもありますので、まずは医療機関での受診を勧め、そのうえで肩の問題だと分かれば、今回の内容をお役立て頂けますと幸いです。

ピラティスと肩の機能解剖を学ぶ

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最後までお読み頂き、ありがとうございました。

理学療法士
中北貴之

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