エクササイズ

股関節前方の”つまり”改善に効果的なピラティスチェアエクササイズ

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こんにちは。
ピラティスマシンFactoryです。

シングルレッグストレッチやスクワット、臀部のストレッチなど股関節屈曲時に生じやすい、股関節前方のつまり感。

今回は、「なぜ股関節の前方につまり、もしくは痛みが生じるのか?」という原因についての解説と、改善に効果的なピラティスチェアエクササイズをご紹介いたします。

股関節の機能解剖

股関節は、寛骨大腿骨の2つの骨で構成された関節。

ボールのような丸い形をした大腿骨頭を、寛骨臼が覆うような構造をしており、寛骨臼の中で大腿骨頭がグルグル動き多方向への可動性を持っているのが特徴です。

この大きな可動性を持った股関節を、関節包や靭帯・関節唇・筋などの組織が周囲を覆うことで安定性を高めています。

股関節前方の”つまり”の原因

股関節屈曲時に、前方がつまる原因としては、大きく2つ考えられます。

①大腿骨の前捻角や、FAIなどの骨構造由来
②臀筋群の硬さなど筋由来

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

まずは、骨構造が原因となる痛みについてです。

大腿骨の前捻角というのは、大腿骨体部に対する、大腿骨頸部の捻れのことで、通常は15度程度の前捻があります。

この前捻角が少ない後捻股だと、股関節の軽度外旋位がその人にとっての中間位になるので、内外旋中間位で屈曲させると、実は内旋位での屈曲運動になってしまうんです。

そうすると、股関節の前側で関節唇や筋が挟み込まれて、痛みが生じるというわけですね。

また、FAI(femoroacetabular impingement)というのは、大腿骨頚部か寛骨臼のどちらか一方、もしくは両方に形態異常がある状態で、関節唇や関節軟骨の衝突が繰り返され、組織の損傷が生じる疾患です。

FAIの場合は、骨形態異常によって股関節の動きに制限がある状態なので、屈曲動作に伴い前面に痛みが生じます。

前捻角やFAIは、股関節屈曲時だけでなく、マーメイドやシンボックスといった、内旋-外旋の可動域を必要とするエクササイズにも影響しますので、初回レッスン時に確認をしておくことをオススメしています。

続いては、筋の硬さが原因となる痛みについて。

通常、股関節を屈曲する時は、大腿骨が後方に滑る動きを伴います。

ところが、大殿筋や深層外旋六筋など、大腿骨後方にある筋の伸張性低下や筋緊張増加があると、大腿骨が後方に滑る動きを阻害してしまい、これまた股関節前面で組織の挟み込みが起こり、痛みが発生してしまうことがあります。

股関節前方のつまり改善に効果的なピラティスチェアエクササイズ

ここまでお話してきたように、股関節前面の痛みの原因は、骨構造由来と筋由来に大別されます。

前捻角やFAIなど骨構造由来の痛みの場合、ストレッチやエクササイズで改善することは困難ですので、最初に鑑別評価が必要です。

骨構造由来ではなく、筋の硬さによるものであれば、私たちコンディショニング指導者の出番ですね!

例えばデスクワーカーの方は、臀部筋群が圧迫された状態が長く続き、血流が悪くなったり、筋の滑走性が低下しやすくなります。

そのような方にオススメなのが、ピラティスチェアを活用したヒップストレッチ。

ピラティスチェアを活用したヒップストレッチは、硬くなりやすい大殿筋や深層外旋六筋のストレッチに大変効果的なエクササイズです。

通常は、写真のような姿勢で約20秒静的なストレッチを行いますが、デスクワーカーの仕事後のレッスンであれば、フットペダルを上げ下げして伸長と弛緩を繰り返し、血流を促すような方法もオススメです!

ただ、過度前捻は股関節の外旋可動域が低下しており、逆に痛めてしまう可能性もありますので、実施は避けて頂く良いかと思います。


今回は、股関節前方の”つまり”改善に効果的なピラティスチェアエクササイズとして、ヒップストレッチをご紹介しました。

骨構造による可動域制限なのに、エクササイズをしても改善は難しいですし、無理にストレッチなどを行うことで、痛みを増悪させてしまう可能性もあります。

安全かつ効果的な指導を行うためにも、まずは骨構造が原因となっている痛みなのか、筋の硬さが原因なのかを評価することが大切ですね。

もちろん、私たちに診断権はありませんので、あくまでも可能性を探るということになりますが。

今回の内容を、皆さまのレッスン指導にお役立て頂けますと幸いです♪

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最後までお読み頂き、ありがとうございました。

理学療法士
中北貴之

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