ふくらはぎのストレッチにおすすめのピラティスリフォーマーエクササイズ
歩行やランニングなどで推進力として働くのが、ふくらはぎの筋肉。
多くの方が、たくさん歩いて「ふくらはぎが疲れた~」という経験をしているのではないでしょうか。
また、一日中デスクワークをしているなど、活動量の低下によっても、ふくらはぎが”おもだるく”なることがあります。
今回は、疲れが溜まりやすい、ふくらはぎの筋肉のストレッチにおすすめのピラティスリフォーマーエクササイズを、機能解剖を交えながらご紹介いたします。
下腿三頭筋の機能解剖
“ふくらはぎ”の筋肉は、専門的には下腿三頭筋といいます。
下腿三頭筋は、表層部分の腓腹筋と、深層部分のヒラメ筋という2つの筋肉が構成していて、両方の筋肉は踵骨に付着する際に合流して共同の腱となります。
これが、かの有名なアキレス腱です。
どちらの筋肉も足関節の底屈に作用していますが、それぞれの筋肉の特性によって役割は異なります。
ヒラメ筋には遅筋線維といって、収縮速度がゆっくりだけど持久力のある筋線維が豊富に存在しているため、瞬発的な素早い動きよりも、姿勢やバランスの保持などのような、比較的ゆっくりとした動作での役割が求められます。
一方、ヒラメ筋に比べると速筋線維が多く含まれているのが腓腹筋。
速筋線維は瞬発的な動きに関与するので、腓腹筋の方がダッシュやジャンプなどのような、スポーツ場面でより多く活動します。
遅筋線維と速筋線維の割合を比べると、腓腹筋はおおよそ5:5なのに対し、ヒラメ筋では9:1の割合で遅筋線維が多いと報告されています。
腓腹筋は二関節筋
腓腹筋とヒラメ筋は、遅筋線維と速筋線維の割合が違うだけでなく、膝関節の影響を受けるか否かも異なります。
どちらの筋肉もアキレス腱となって踵骨に停止するのは一緒ですが、起始部が異なる為です。
腓腹筋は大腿骨の内側上顆と外側上顆に起始しているのに対し、ヒラメ筋は脛骨と腓骨に起始しています。
つまり、腓腹筋は膝関節を越えて大腿骨に付着しているので、足関節の底屈だけではなく膝関節の屈曲運動にも作用するということです。
腓腹筋のように足関節と膝関節といった2つの関節に作用する筋肉のことを二関節筋と呼びます。
エクササイズで考えると、膝関節伸展位での足関節底屈運動の場合は腓腹筋が多く動員され、膝関節屈曲位であれば腓腹筋の活動が低下し、ヒラメ筋が多く動員されるようになります。
ストレッチでも同様に、腓腹筋を伸ばしたいのであれば膝関節伸展位で、ヒラメ筋を伸ばしたいのであれば膝関節屈曲位で行うと、それぞれの筋をストレッチできます。
ピラティスリフォーマーを活用したふくらはぎのストレッチ
下腿三頭筋の機能解剖を確認したところで、ピラティスリフォーマーを活用したストレッチをご紹介いたします。
今回ご紹介するのは、ベアラウンド:ヒップ&ショルダームーブメント。
ベアラウンド:ヒップ&ショルダームーブメントは、キャリッジの移動を利用することで、マットでのストレッチよりも下腿三頭筋を強くストレッチすることが出来るので、ある程度下腿三頭筋の柔軟性が高まってきた方にオススメのストレッチです。
下腿三頭筋をストレッチするだけなく、肩甲骨周囲の筋肉の活性化も同時に行えるので、肩甲帯の安定性向上にも効果的です。
エクササイズ中のポイントとしては、つま先を正面に向けるようにしましょう。
下腿三頭筋の柔軟性が低下していると、つま先を外側に向けて代償しやすいので、そのような場合は、マットや立位でのストレッチから始めるようにしてください。
今回は、ふくらはぎの筋肉のストレッチにおすすめのピラティスリフォーマーエクササイズとして、ベアラウンド:ヒップ&ショルダームーブメントをご紹介いたしました。
過活動でも不活動でも疲れが溜まりやすい”ふくらはぎ”の筋肉。
ストレッチでケアして、下肢全体の循環も良くしていきましょう!
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最後までお読み頂き、ありがとうございました。
理学療法士
中北貴之