エクササイズ

肘の過伸展リスクとピラティスリフォーマーエクササイズ

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こんにちは。
ピラティスマシンFactoryです。

プランクやバードドッグなど、手で体重を支えるエクササイズで肘が過剰に伸びているクライアントを見かけたことはありませんか。

この肘の過伸展は、コンディショニング指導の現場で頻繁に遭遇するエラー動作の一つです。
放置すると関節への負担が蓄積し、痛みや障害につながる可能性があります。

今回は、肘関節過伸展のリスクと注意が必要なピラティスリフォーマーエクササイズについて、肘関節の機能解剖を基に解説します。

肘関節は、「上腕骨・橈骨・尺骨」の3つの骨で構成され、一つの関節包に包まれた複合関節です。

正常な可動域は屈曲約145度、伸展0度とされていますが、個人差により5〜15度程度の過伸展を示す人も存在します。

機能的には以下の3つの関節から成り立っています。

腕尺関節
上腕骨の滑車と尺骨の滑車切痕が噛み合う蝶番関節で、肘の屈曲・伸展運動の主役を担います。
滑車と滑車切痕の形状的な適合性が高く、骨による安定性に優れているのが特徴です。

▼腕橈関節
上腕骨小頭と橈骨頭が接する球関節で、屈曲・伸展に加えて、前腕の回内・回外運動にも関与します。
荷重伝達において重要な役割を果たし、特にプランクなどで手のひらを床につけた状態では、力の伝達経路として機能。

近位橈尺関節
橈骨頭と尺骨の橈骨切痕が構成する車軸関節です。
遠位橈尺関節と共に前腕の回内・回外に関与します。

肘関節過伸展の原因とリスク

このような「上腕骨・尺骨・橈骨」による骨性適合に加え、内側側副靭帯をはじめとした強固な靭帯や関節包、筋によって保たれているのが肘関節の特徴です。

しかし、靭帯や関節包による制動機能が低下していると、過伸展しやすくなります。

関節弛緩性には先天的要因と後天的要因があります。

後天的要因としては、「肘を伸ばす=ロックする」といった、誤った運動制御パターンの反復が関与していることも少なくありません。

肘関節が過伸展位となると、前方関節包には過度な伸張ストレスが加わる他、関節後方部分においても、過伸展によって肘頭が肘頭窩に強く押し込まれることで、関節面への接触ストレスが増大したり、後方関節包が挟み込まれてしまうこともあります。

また、手関節が過剰に背屈しやすくなるので、肘関節だけでなく手関節への負担が増えることにも注意が必要です。

過伸展の評価方法

それでは、肘関節過伸展の評価方法について確認していきましょう。

①クライアントに肘を伸ばしてもらう。
②横から上腕骨と橈骨の角度をチェックする。
③15°以上伸展していれば過伸展。

このように評価方法はとても簡単ですが、筋や脂肪を基準にしてチェックしないように注意しましょう。

筋が発達していたり、脂肪が多い方だと過伸展に見えてしますので、必ず上腕骨と橈骨で評価することがポイントです。

過伸展は、関節包や靭帯といった静的支持機構が十分に機能していない状態です。
そのため、動的支持機構である筋によって制動力を高めることで改善が期待できます。

しかし、そのためには上腕二頭筋や上腕筋といった肘関節屈筋群を発達させる必要があります。

「腕が太くなっても構わない」というクライアントであれば、このようなアプローチも選択肢となるでしょう。
しかし、ピラティスを受けに来る多くの方は、必ずしもそれを目的としているわけではありません。

そう考えると、構造的な変化による根本的な改善を目指すよりも、過伸展を回避するための運動制御への介入のほうが、現実的なアプローチといえます。

基本的には、手で体重を支える必要があるエクササイズは注意が必要です。

ピラティスリフォーマーを使用した種目であれば、ショルダームーブメントやサイドプランクなどが挙げられます。

過伸展があるクライアントにこれらのエクササイズをご案内する場合は、「肘をまっすぐに伸ばして」といったキューイングは避けた方が良さそうですね。

解剖学的な個人差を理解したうえで、クライアントの安全を守りながら、効果的なセッションを提供していきましょう!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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理学療法士
中北貴之

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