腸腰筋の活性化に効果的なピラティスリフォーマーエクササイズ
こんにちは。
ピラティスマシンFactoryです。
腰椎骨盤帯や股関節の安定性に重要な役割を担っている腸腰筋。
書籍やSNS、テレビなどのメディアでも目にすることが多い筋肉の一つです。
今回は、腸腰筋の機能解剖と、ピラティスリフォーマーエクササイズについて解説いたします。
腸腰筋の機能解剖
腸骨筋と大腰筋という2つの筋をあわせて腸腰筋と呼びます。
腸骨筋は骨盤の一部である腸骨から、大腰筋は腰椎から起始し、大腿骨頭の前方を走行して大腿骨の小転子に付着しているので、主に股関節の屈曲に作用する筋肉です。
股関節を形成する寛骨臼と大腿骨頭は、どちらも少し前方を向いているので、股関節の前方は骨が露出した状態となり、不安定な骨構造をしています。
そんな不安定な股関節前方を補強している組織の一つが腸腰筋!
大腿骨頭を前方から抑え込むように作用するので、股関節前方を安定させる重要な役割を担っているんですね。
起始部
・腸骨筋:腸骨内側の腸骨窩
・大腰筋:第12胸椎~第5腰椎の椎体と椎間板、肋骨突起
停止部
大腿骨の小転子
神経支配
大腿神経(L1~L4)
作用
・股関節の屈曲
・骨盤の前傾
・腰椎の伸展、側屈
前述の通り、腸腰筋は股関節前方の安定性を高めるために重要な筋肉です。
同様に、股関節を求心位(大腿骨頭を寛骨臼に適合させた状態)に保つために重要なのが、小殿筋と深層外旋六筋。
小殿筋は股関節側方から、深層外旋六筋は後方から、大腿骨頭を寛骨臼に適合させるような走行をしています。
そのため、股関節の安定性が必要な片脚立位系のエクササイズを行う際は、ウォーミングアップ段階でこれらの筋を活性化するような種目を行うことがオススメです!
ピラティスリフォーマーを活用した腸腰筋のエクササイズ
股関節の屈曲筋群には、腸腰筋の他にも大腿直筋や縫工筋、大腿筋膜張筋などがあります。
より選択的に腸腰筋を活性化させる為には、股関節を90度以上屈曲させた状態での、屈曲運動が効果的だと考えられています。
そこでオススメのピラティスリフォーマーエクササイズが、レジスタンスきゃっとばっく。
通常のレジスタンスきゃっとばっくでは、骨盤後傾と脊柱屈曲を行いながら、キャリッジを頭側へと引き寄せます。
ただ、このやり方だと腹筋群の活性化には非常に効果的ですが、腸腰筋の動員には向いていません。
そのため、通常のやり方とは異なり、脊柱のニュートラルポジションを保った状態で、股関節の屈曲運動によってキャリッジを引き寄せることで、腸腰筋をより活性化することが出来ます。
このように、エクササイズの目的に合わせてやり方を変えるだけでも、レッスンのバリエーションを増やせますね。
レジスタンスきゃっとばっくでは、キャリッジに膝を当てることでスプリングの抵抗が加わりますので、肩のすくみや、腰椎の過伸展などの代償動作が生じていないか、という点にも注意して行いましょう。
なお、ピラティスリフォーマーをお持ちでない方でしたら、マットでのデッドバグなどもオススメです。
デッドバグの場合、股関節屈曲位で固定している方の腸腰筋を活性化できます。
運動に慣れているクライアントには、足部にミニバンドを巻くことで、さらに筋活動を高めることができるので、バリエーションの一つとしてオススメです!
その他にも、ピラティスリフォーマーやタワーでの、フロントプランクポジションからのニードライブ系のエクササイズも効果的。
こちらは、プランクポジションを保持するだけでも強度が高くなりますが、さらにそこからスプリングの抵抗が加わった状態で、片側の股関節屈曲運動を行うので、スポーツ愛好家の方や、「筋肉をすごく使った!」など、やった感があった方が良いというクライアントに、オススメのエクササイズの一つです。
今回は、腸腰筋の機能解剖と、活性化に効果的なピラティスリフォーマーエクササイズとして、レジスタンスきゃっとばっくのバリエーションをご紹介しました。
深層外旋六筋や小殿筋と共に股関節の安定化に重要な役割を担っている腸腰筋。
腰椎骨盤帯や股関節のコンディションを整えるうえで、とても大切な筋肉ですので、ぜひレッスンでも活用してみてください♪
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
理学療法士
中北貴之