ピラティスタワーを活用した僧帽筋エクササイズ
こんにちは。
ピラティスマシンFactoryです。
姿勢を綺麗に見せたり、ボディラインを整えたりするために、背中のトレーニングをしているという方も多いのではないしょうか。
背中の代表的な筋肉の一つが僧帽筋です。
今回は、僧帽筋の機能解剖をはじめ、ピラティスタワーを活用したオススメのエクササイズをご紹介いたします。
僧帽筋の機能解剖
後頭骨から第12胸椎まで、かなり広範囲に付着している僧帽筋。
肩甲骨の内転や上方回旋の主要な役割を担い、肩関節の運動において重要な筋の一つです。
上部線維、中部線維、下部線維に分かれていますので、まずはそれぞれの付着部や作用について確認していきましょう。
起始部
・上部線維:後頭骨の外後頭隆起、項靭帯
・中部線維:第1~6胸椎の棘突起
・下部線維:第7~12胸椎の棘突起
停止部
・上部線維:鎖骨の外側1/3
・中部線維:肩甲骨の肩甲棘
・下部線維:肩甲骨内側縁の棘三角
神経支配
・副神経、頚神経(C2~C4)
作用
・上部線維:肩甲骨の挙上、内転、上方回旋
・中部線維:肩甲骨の内転、上方回旋
・下部線維:肩甲骨の下制、内転、上方回旋
このように、僧帽筋は上部線維、中部線維、下部線維に分かれ、それぞれで作用は異なりますが、全体として「肩甲骨の内転・上方回旋」の運動に関わっており、肩甲胸郭関節が適切に機能するために非常に重要な筋肉です。
肩甲胸郭関節とは
肩甲胸郭関節についても、簡単に確認しておきましょう。
肩甲胸郭関節は、「肩甲骨と肋骨」によって構成されている関節です。
ただ、厳密には関節構造を有していないので、第2肩関節と共に機能的関節に分類されます。
肩甲骨は皆さんご存知の通り、多方向に大きく動きます。
・外転ー内転
・挙上ー下制
・上方回旋ー下方回旋
・前傾ー後傾
肩甲骨の動きには、「僧帽筋、小菱形筋、大菱形筋、肩甲挙筋、前鋸筋」など、多くの筋肉が関わっています。
ピラティスでは、アームサークルズやショルダープレスなど、上肢を挙上させるエクササイズが多くありますが、挙上動作には肩甲骨の内転(屈曲の場合、90度までは外転)、上方回旋、後傾といった動きが必要です。
僧帽筋は肩甲骨の内転と上方回旋に作用しているので、肩関節の運動に不可欠であることが分かりますね。
僧帽筋の活性化におすすめのピラティスタワーエクササイズ
僧帽筋を動員するためには、ピラティスタワーやリフォーマーを活用した、ロウイングやアームサークルズなどのエクササイズがあります。
特に、ロウイングは僧帽筋を活性化するのに効果的です。
どこのフィットネスクラブや健康増進施設にも、ロウイングのマシンは置いてあるので、馴染みのあるエクササイズではないかと思います。
ただ、運動初心者の方は、肩甲骨の動きが分からないというケースも多いので、まずは徒手的に動きをサポートしながら、肩甲骨の内転運動を覚えてもらうこともオススメです。
さて、今回特にオススメしたいのが、コンディショニング指導において注目されることが多い、僧帽筋下部線維のエクササイズ。
なぜ僧帽筋下部線維に注目するかというと、僧帽筋上部線維とのバランスが崩れやすいためです。
肩関節の挙上動作において多く見られる代償運動が、肩甲骨が過度に挙上してしまうケース。
いわゆる”すくみ”や”シュラッグ”というやつですね。
このような代償運動が生じる場合、肩甲骨の挙上に作用する僧帽筋上部線維が過活動になっていることがあり、上部線維と同様に肩甲骨の上方回旋に関わっている、前鋸筋や僧帽筋下部線維を活性化することで、改善されることもあります。
そこで今回、僧帽筋のエクササイズとしてオススメするのが、ピラティスタワーを活用したスイミング。
スイミングは、僧帽筋下部線維の走行に合わせて上肢を挙上するので、活性化するのに大変効果的です。
スプリングを付ける高さによって強度の調節が可能で、低い位置に付ければ抵抗が強くなり、高い位置であれば上肢挙上をアシストしてくれます。
そのため、慣れるまでは高い位置にスプリングをセットし、動きを覚えて頂くことも良さそうですね。
やや外転位で上肢を屈曲することで、僧帽筋下部線維の走行に合わせて運動することができます。
なお、肩のシュラッグや腰椎の過伸展といった代償運動が生じやすい種目ですので、注意して行いましょう。
今回は、肩甲骨の動きに重要な僧帽筋の機能解剖と、ピラティスタワーを活用したオススメのエクササイズをご紹介いたしました。
肩関節の動きを良くするだけでなく、姿勢やボディラインを綺麗にするためにも効果的なエクササイズですので、ご活用頂けますと幸いです!
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
理学療法士
中北貴之