エクササイズ

膝のスポーツ障害予防にオススメのピラティスリフォーマーエクササイズ

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こんにちは。
ピラティスマシンFactoryです。

今回は、膝のスポーツ障害予防にオススメのピラティスリフォーマーエクササイズをご紹介いたします。

ジャンパー膝、腸脛靭帯炎、オスグッド・シュラッター病、膝蓋骨脱臼など、膝関節はプロ・アマを問わずスポーツ競技において障害が好発する部位の一つで、ピラティスを用いたコンディショニングエクササイズはとても重要です。

今回は、成長期のスポーツ障害として代表的な、オスグッド・シュラッター病(以下:オスグッド病)に焦点を当てていきたいと思います。

大人の膝関節障害も似た機序で発生しますので、子どもだけではなく、大人のコンディショニングとしても活用してください。

オスグッド・シュラッター病とは

オスグッド病は、脛骨粗面(脛骨近位部の突出部)の圧痛や運動時痛を主訴とする膝関節障害で、男児では12歳頃、女児では10歳頃に多く発症する疾患。

12~15歳のブラジル人956名(男性474名、女性482名)を対象にしたリサーチでは、約10%の人にオスグッド病が認められたという報告があるように、スポーツ障害の中でも頻繁に遭遇する疾患で、競技レベルが上がるほど発生率は上昇すると言われています。

ひと昔前は”成長痛”と呼ばれ、放置されることも多かったようですが、オーバーユースに伴う疾患であり、予防することも可能です。

なお、どうしてこのような疾患名なのかというと、1903年にRobert B Osgoodさんと、Carl B Schlatterさんが発表した為、「Osgood-Schlatter病」と名付けられました。

オスグッド病と略されることが多いので、私がシュラッターさんならちょっと複雑な気持ちですが・・・。

オスグッド病の発生機序

さてさて、オスグッド病は脛骨粗面部の痛みが特徴です。

脛骨粗面といえば、大腿四頭筋が膝蓋腱を介して付着している部分。

男子では13歳頃、女子では11歳頃に発育急進期があり、骨の長軸方向への成長に筋の長さが追いつかず、筋の伸張性が不足した”タイトネス”な状態になるので、骨に負担が掛かりやすい時期です。

また、この年代の脛骨粗面は力学的に脆弱であるとも言われています。

そのような身体の状態で、大腿四頭筋の収縮に伴う、脛骨粗面部への繰り返しの牽引力が発生することで、オスグッド病になってしまうんですね。

オスグッド病の臨床症状は以下の通りです。

・脛骨粗面部の圧痛
・脛骨粗面部の腫脹や熱感
・スクワット動作での痛み
・ジャンプの着地時の痛み
・正座や膝立ちなどで、脛骨粗面が地面に接すると痛い
・膝関節の屈曲制限など

約30%は両側に発生するともいわれていますが、大半のケースでは左右差があるので、NRS(痛みを数値化したスケール)などで確認するようにしましょう。

コンディショニングエクササイズの考え方

続いては、コンディショニングエクササイズの考え方について。

前述の通り、大腿四頭筋の付着部である脛骨粗面部の骨端症なので、「大腿四頭筋をストレッチしておけば良いのか?」というと、そう単純でもありません。

なぜなら、大腿四頭筋のオーバーユースになる原因としては、体幹や下肢の協調性の低下、重心位置の後方化など、様々な要素があるからです。

例えば下肢の協調性で考えてみると、ジャンプの着地動作時に「股関節・膝関節・足関節」の動きのバランスが崩れ、膝関節を過剰に屈曲させた姿勢になっていれば、当然ながら大腿四頭筋を過剰に使うことになります。

その他にも、脊柱の屈曲姿勢や骨盤後傾位での動作制御、足関節背屈制限などがあれば、重心位置は後方に偏移することになり、大腿四頭筋への負荷が増加します。

足関節背屈やSLRテスト、脊柱の可動性チェックなどで、適切な可動域を有しているかというのは要チェックポイントです。

また、スクワットやジャンプの着地動作を確認し、体幹や下肢が協調的にコントロールできているのか、というのも大切な評価ポイントですね。

ピラティスリフォーマーを活用したオスグッド病の予防エクササイズ

これらの評価を踏まえてエクササイズを処方することになるので、人によって必要な種目は異なりますが、今回はおすすめのピラティスリフォーマーエクササイズの一つとして、バックワードスライドランジをご紹介します!

バックワードスライドランジは、「股関節・膝関節・足関節」の協調的な動作学習に効果的なエクササイズですので、膝関節の伸展筋である大腿四頭筋のオーバーユースの予防につながります。

そのため、膝関節を過剰に使った動作にならないように注意してください。

また、前側の下肢にしっかりと荷重し、キャリッジに乗せている足はバランスをとる程度にしましょう。

今回は、成長期のスポーツ障害として代表的な、オスグッド・シュラッター病についてと、予防にオススメのピラティスリフォーマーエクササイズをご紹介しましたが、ぜひ大人の膝関節障害にも応用してみてください。

オスグッド病と診断されると、大腿四頭筋のストレッチを推奨されることが多くありますが、痛みが強い時期だと、「痛くてストレッチをしたくないです」というケースもあります。

そのような場合は、大腿四頭筋のセルフリリースや、ハムストリングおよび下腿三頭筋のストレッチなど、痛みの生じない方法でケアするのもオススメです。

最後に、オスグッド病において最も強く推奨される治療法は、「活動の制限」です。

まずは医師の指示に従い安静スポーツ活動を休止するようにし、そのうえで可能なコンディショニングエクササイズを実践してもらいましょう。

膝の疾患やピラティスリフォーマーについて学ぶには

「Pilates as Conditioning Academy」では、10~15分の動画で、エクササイズの効果の解説や、現場でよくある代償動作の修正方法、リグレッションやプログレッションについてもご案内しています。

さらに詳しく学び、ピラティス指導に活用していきたいという方、ピラティスの資格取得をお考えの方は、「Pilates as Conditioning Academy」もぜひご覧ください。

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最後までお読み頂き、ありがとうございました。

理学療法士
中北貴之

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