腱板機能の向上に効果的なピラティスタワーエクササイズ
こんにちは。
ピラティスマシンFactoryです。
今回は、腱板機能向上に効果的なピラティスタワーエクササイズをご紹介いたします。
肩の痛みの原因と併せてご覧ください!
上腕外側面の痛みの原因
肩関節は、人体最大の可動性を有しているがゆえに、障害も起きやすい部位。
挙上や結帯などの動きで、肩の違和感や痛みを訴えるクライントは多くいます。
平均寿命が短かった江戸時代では、五十肩は「長命病」とも呼ばれていたそうで、それだけ加齢と共に障害が生じやすいという関節だということが推測できますね。
肩の痛みの訴えで多いのが、「上腕外側面」「肩の前方部」「肩の後方部」です。
今回は、上腕外側面の痛みの原因について考えてみたいと思います。
上腕外側面は、腋窩神経の分枝である上外側上腕皮神経という皮神経に支配されているので、腋窩神経からの関連痛が生じることがあります。
腋窩神経は、三角筋や小円筋を支配していることで有名ですよね。
ただ、筋を支配しているだけではなく、肩甲上腕関節の関節包や、肩峰下滑液包という肩の動きを滑らかにしている組織からの情報を、脳や脊髄といった中枢神経系に伝える役割も担っています。
そのため、関節包や肩峰下滑液包といった組織への侵害刺激が多くなると、上腕外側面に痛みが生じることがあるんです。
肩峰下滑液包
肩峰下滑液包は、肩の痛みの発信源になることが多い組織ですので、もう少し詳しく確認していきましょう。
肩峰と腱板の間にある肩峰下滑液包は、緩衝材のような役割を担っており、肩関節が適切に機能している状態でも、挙上動作時は常に圧迫刺激が加わります。
肩が滑らかに動くためには必要不可欠な組織ですが、常にストレスに晒されるため、炎症が生じやすいので、医師が注射をすることが多い部位です。
言い方を変えると、侵害信号を発しやすい組織だということですね。
以前は、肩峰下滑液包の知覚神経(中枢に信号を送る神経)は肩甲上神経だけだと考えられていましたが、最近では腋窩神経の分布も確認されています。
そのため、肩峰下滑液包への侵害刺激が、上腕外側面の痛みとして表れることがあります。
QLS(肩甲四角腔:quadrilateral space)
続いては、腋窩神経が絞扼されやすい肩甲四角腔について。
肩甲四角腔は、「quadrilateral space」を略してQLSと記載されていることの方が多いので、ここでもそのように表記していきます。
QLSは、「小円筋・大円筋・上腕三頭筋長頭・上腕骨」により構成されている四角いスペースのことで、腋窩神経が腹側から背側へと走行している部分です。
上記の筋の伸張性の低下や筋緊張の亢進があると、スペースが狭くなって腋窩神経が絞扼され、これまた侵害刺激が増加する原因になるというわけですね。
挙上動作時にこれらの筋肉が全て伸張されますし、結帯動作において小円筋の伸張性低下が制限になっていることもあります。
QLSを構成する筋の伸張性や筋緊張を適正化することは、肩の痛みを改善するうえでの、チェックポイントの一つです。
ピラティスタワーを活用した腱板エクササイズ
腋窩神経領域への侵害刺激を軽減するためには、腱板機能や、肩甲骨の可動性を高めることがポイントです。
腱板は、「棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋」という4つの筋肉の総称で、肩関節の安定化機構として、非常に重要な役割を担っています。
腱板機能が低下すると、上腕骨頭の位置がズレやすくなるため、前述の肩峰下滑液包へのストレスの増加や、周囲筋の過緊張にもつながります。
この腱板機能の向上に効果的なピラティスタワーエクササイズが、ショルダースタビリティ。
腱板のエクササイズといえば、チューブを使って肩の内旋-外旋や外転運動を行うことも効果的ですが、ショルダースタビリティでは、一定のリズムでの揺れを制御するために、腱板と三角筋をはじめとしたアウターマッスルを協調的に使うことができてオススメです。
ただし、肩関節の拘縮や痛みが強い段階では、90度屈曲することが難しいケースがあります。
そのような場合は、痛みやシュラッグを伴わない角度で実施しましょう。
今回は、腱板機能向上に効果的なピラティスタワーエクササイズとして、ショルダースタビリティをご紹介いたしました。
肩の痛みでは、上腕外側面に訴えがあることが少なくありません。
適切に腱板が機能するようにし、関節包や肩峰下滑液包への負担を軽減していきましょう!
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理学療法士
中北貴之