コアの活性化に効果的なピラティスリフォーマーエクササイズ
こんにちは。
ピラティスマシンFactoryです。
今回は、コンディショニング指導者の皆さんに大人気のコアをテーマに、機能解剖学とピラティスリフォーマーエクササイズをご紹介いたします!
コアとは?
「コア」というワードをよく耳にしますが、一体何なのでしょうか?
実は、明確な定義はないんです。
そのため、今回はコア=腰椎骨盤帯という定義のもと、話を進めて参ります。
なお、体幹は「頭部と四肢を除くすべての部分」というのが一般的です。
コアは体幹の一部だということですね!
このコアを安定させるために重要なのが、インナーユニットと呼ばれる腰椎骨盤帯の筋群です。
インナーユニットの機能解剖
下位胸郭、腰椎、骨盤に存在する「横隔膜」「腹横筋」「多裂筋」「骨盤底筋群」の4つの筋は、協調して働くことから「インナーユニット」と呼ばれており、以下の3つの役割があります。
私たちが普段何気なく行っている動作は、上肢や下肢の動作に先行してインナーユニットが働くことでコアの安定性が確保され、円滑に行われています。
肩関節の運動時の筋活動を調べた研究では、健常者の場合、肩関節の挙上運動の主動作筋である三角筋に先行して、インナーユニットの一部である腹横筋が収縮しますが、腰痛群では腹横筋の筋活動が遅延していることが、1997年にHodgs氏らによって報告されました。
このリサーチがきっかけで、日本にも空前のドローインブームが到来していましたね。
さて、このようにインナーユニットは動作に先行して姿勢制御を行う役割を担っていると考えられます。
目の前にあるペットボトルを取ろうとして手を伸ばす前に、トイレに行こうと立ち上がる前に、信号が青になって歩き出そうとする前などなど、様々な場面でインナーユニットが活躍してコアを安定させ、私たちの運動を円滑にしてくれているんですね。
インナーユニットを構成する筋の特徴
それでは、インナーユニットを構成する各筋の付着部や、それぞれの特徴について確認していきしょう。
横隔膜
下位肋骨の内側にドーム状に付着し、安静吸気の70~80%を担っている横隔膜。
横隔膜が上昇↔下降することで、腹腔内圧が調整されて腰椎骨盤帯を安定させています。
腹横筋
腹横筋は、腹巻きのように腹部全体を覆うように付着している筋です。
腹横筋が収縮することで、胸腰筋膜が牽引されて緊張し、腰椎や骨盤帯の安定性が高まります。
多裂筋
多裂筋は脊柱や骨盤に付着している筋で、収縮することで仙骨のうなずき(骨盤前傾)を促し、仙腸関節を締まりの位置にして安定させます。
脊柱伸展筋群の深層筋としても有名ですね。
骨盤底筋群
骨盤底筋群は、その名の通り骨盤の底に付着している複数の筋を総称したもので、腸や生殖器など内臓器を下から頑張って支えてくれています!
その他にも、仙腸関節の安定性にも関わっている筋です。
これら4つの筋肉が1つのユニットとして、協調的に働くことでコアの安定性が確保されています。
痛みとインナーユニット
ここまでお伝えしてきたように、インナーユニットはコアの安定性を高めるため役割があり、「Stabilizer」なんて呼ばれたりもします。
一方、関節を動かすために働く脊柱起立筋などは、「Mobilizer」とも呼ばれています。
Stabilizerが先行収縮して関節を安定させ、その後にMobilizerの収縮によって関節が動くことで、スムーズに運動が遂行されているんですね。
ところが、慢性痛がある部位では、両者の活動バランスが崩れてしまうことが指摘されています。
通常、低負荷な運動ではStabilizerが多く活動し、高負荷になればMobilizerが優位になりますが、慢性痛があると、低負荷な運動でもMobilizerが優位になってしまうんです。
そうなると、関節の安定性が損なわれて侵害刺激が増加し、より痛みを感じやすくなることになってしまいますよね。
慢性的な腰痛を抱えているクライアントに対しては、プランクやフロントリフトなどのように比較的高負荷になりやすいエクササイズよりも、最初は低負荷で行いやすい種目を選択した方が良いと考えられます。
そこでオススメのピラティスリフォーマーエクササイズが、シングルレッグストレッチ。
ピラティスリフォーマーを活用したシングルレッグストレッチ
ピラティスリフォーマーを活用したシングルレッグストレッチは、コアを安定させた状態を保ちながら、股関節の分離運動を行うエクササイズです。
脚を下げる高さによって負荷の調節が可能で、膝関節を屈曲させるので、シザースよりも低負荷で行うことができます。
そのため、慢性的な腰痛をお持ちの方や、数週間程度の腰痛があった方などに対して、Stabilizerであるコアを活性化させるのに効果的です。
エクササイズのポイントとしては、腰椎が過伸展しないように、股関節を動かすことです。
また、股関節の分離運動を目的として行う場合は、骨盤の前傾や後傾が生じないようにしましょう。
今回は、コアの活性化に効果的なエクササイズとして、ピラティスリフォーマーを活用したシングルレッグストレッチをご紹介しました。
インナーユニットの筋群を適切に活性化し、腰椎骨盤帯の安定性を高めていきましょう!
ピラティスリフォーマーやコアについてオンラインで学べる
「Pilates as Conditioning Academy」では、10~15分の動画で、エクササイズの効果の解説や、現場でよくある代償動作の修正方法、リグレッションやプログレッションについてもご案内しています。
さらに詳しく学び、ピラティス指導に活用していきたいという方、ピラティスの資格取得をお考えの方は、「Pilates as Conditioning Academy」もぜひご覧ください。
いまフリー会員登録して頂いた方には、10本の無料動画をプレゼントしております!
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
理学療法士
中北貴之