肩関節の安定性向上に効果的なピラティスリフォーマーエクササイズ
こんにちは。
ピラティスマシンFactoryです。
今回は、ピラティスリフォーマーを活用した、肩関節の安定性向上に効果的なエクササイズをご紹介いたします。
肩関節の機能解剖とあわせて確認していきましょう!
肩関節とは
肩関節は、解剖学的関節と機能的関節によって、協調的に機能している関節です。
解剖学的関節には、「肩甲上腕関節・肩鎖関節・胸鎖関節」が含まれます。
一方、関節包などが存在せず関節構造はしていないけれど、関節の役割を担っている機能的関節を構成しているのが、「肩甲胸郭関節・第2肩関節」です。

今回は、肩甲上腕関節の安定性向上に効果的なエクササイズをご紹介しますので、肩甲上腕関節についても詳しく見ていきましょう。
肩甲上腕関節の特徴
肩甲骨と上腕骨によって構成されている肩甲上腕関節。
その特徴は、何と言っても人体で最大の可動域を有しているということです。
可動範囲は、挙上で180度、伸展で50度、回旋で150度。
なぜこんなにも関節可動域が大きいのかというと、骨構造が大きく影響しています。
肩甲上腕関節は、肩甲骨という受け皿に、上腕骨というボールがはまり込むような構造ですが、なんと受け皿である肩甲骨よりも、上腕骨の方が3倍も大きいんです!
そのため、骨性の制限が少なく関節の自由度が高いというわけですね。

ただし、骨性の制限が少ないということは、関節として不安定であるとも言えます。
その不安定性を補っているのが、靱帯や関節包といった静的支持組織と、筋肉や筋膜による動的支持組織です。
肩甲上腕関節における動的支持組織としては、三角筋や腱板が主要な役割を担っています。
腱板と三角筋の機能解剖
腱板は、「棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋」の総称で、肩甲上腕関節の安定性を高めています。
棘上筋

棘上筋は肩甲骨の棘上窩から上腕骨の大結節上面に付着し、肩関節の外転に作用する筋肉です。
ただ、外転作用はそれほど強くなく、どちらかというと、上腕骨頭を肩甲骨の関節窩に押し付けるように働くことで、肩関節挙上時の支点を形成するのが主な役割です。
なお、内旋に作用する前部線維と、外旋に作用する後部線維に分かれています。
棘下筋

棘下筋は、肩甲骨の棘下窩から上腕骨の大結節中面に付着しており、肩関節の外旋に働く他、棘上筋と共に上腕骨の支点形成も担っている筋肉です。
横走線維と斜走線維に分かれ、横走線維は1stポジションである下垂位での外旋に、斜走線維は2ndポジションである90度外転位での外旋に強く作用します。
3rdポジションである90度屈曲位になると、外旋よりも水平伸展の作用がメインになります。
小円筋

小円筋は、肩甲骨の外側縁から上腕骨の大結節下面に付着しており、特に3rdポジションでの外旋に強く作用している筋肉です。
1stポジションでは、筋肉の短縮位になるため、ほとんど作用しないと考えられています。
肩甲下筋

肩甲下筋は、肩甲骨の肩甲窩下から上腕骨の小結節に付着しており、肩関節の内旋に作用する筋肉です。
腱板構成筋の中で唯一、肩甲骨の前面にある肩甲下筋の横断面積は、外旋機能を有する棘上筋、棘下筋、小円筋を合わせたものとほぼ等しく、これらの筋肉と共収縮することで上腕骨の支点形成を担っています。
なお、3rdポジションでは内旋作用が弱くなり、代わりに大円筋が内旋の主動作筋となります。
三角筋

三角筋は、前部線維・中部線維・後部線維に分かれており、それぞれの付着部は以下の通りです。
・前部線維
鎖骨外側部(1/3)から上腕骨の三角筋粗面付着し、肩関節の屈曲に作用
・中部線維
肩甲骨の肩峰から上腕骨の三角筋粗面に付着し、肩関節の外転に作用
・後部線維
肩甲骨の肩甲棘から上腕骨の三角筋粗面付着し、肩関節の伸展に作用
腱板が上腕骨の支点形成に働くインナーマッスル、三角筋が関節を動かすアウターマッスルというイメージが強いかもしれませんが、実は三角筋も肩甲上腕関節の安定化に関与しているんです。
例えば、肩関節の屈曲では三角筋の前部線維が主動作筋となりますが、屈曲120度以降では中部線維と後部線維の筋活動量も増加します。
この時、中部線維と後部線維は上腕骨頭を肩甲骨関節窩に引き付けるように、関節を安定させる役割として作用しています。
腱板は加齢とともに委縮しやすい筋肉なので、適度に三角筋のエクササイズも行っておくことが、肩関節の安定性向上に大切ではないかと考えられます。
そこでオススメのピラティスリフォーマーエクササイズが、4スタンスリアデルトイド!
ピラティスリフォーマーを活用した4スタンスリアデルトイド

4スタンスリアデルトイドは、三角筋後部線維の活性化に効果的なエクササイズです。
支持側の前鋸筋も活性化できるので、肩甲胸郭関節の安定性向上も同時に行えます!
また、ループを持っている側の肘関節の伸展も入れると、肩甲骨の後傾に作用する上腕三頭筋の活動も促せるので、大変オススメです。
スプリングが強いと肩がすくんだり、肩甲骨の内転で代償したりしやすいので、軽めの負荷で行いましょう。
今回は、肩関節の安定性向上に効果的なピラティスリフォーマーエクササイズとして、4スタンスリアデルトイドをご紹介しました。
肩関節は自由度が高い反面、障害が起きやすい部位でもありますので、コンディショニングエクササイズで、しっかりとケアしていきましょう!
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最後までお読み頂き、ありがとうございました。
理学療法士
中北貴之