エクササイズ

ピラティスリフォーマーのフットワークで多い代償動作の原因

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こんにちは。
ピラティスマシンFactoryです。

ピラティスマシンの代表的なエクササイズの一つである、ピラティスリフォーマーを活用したフットワークについては、「足部のアライメント改善や安定性向上のためにご案内するけど、適切なフォームで実施してもらうのが難しい」と感じている方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、フットワークで生じやすい「小趾球荷重」のエラー動作の原因と、改善アプローチの考え方について解説いたします!

小趾球荷重の原因

フットワークでは、足関節底屈時に母趾球と小趾球でバランス良くプッシュできるのが理想的ですが、「小趾球荷重」によって後足部が過回外し、足部のアライメントが崩れてしまうことが多くありますよね。

なぜそのようなエラー動作が生じるのか?

小趾球荷重になる原因は、大きく3つあると考えられます。

①足関節”内がえし”の制動力低下
②下腿の外旋
③股関節の外旋

①足関節”内がえし”の制動力低下

足関節は底屈時に内がえしの状態になります。

足関節底屈筋群には、「下腿三頭筋・長母趾屈筋・長趾屈筋・後脛骨筋・腓骨筋」などがありますが、中でも内がえし外がえしへの関与が大きいのが、後脛骨筋腓骨筋

このように、後脛骨筋の作用は「底屈+内がえし」、腓骨筋は「底屈+外がえし」ですので、腓骨筋の機能低下により、内がえしの制動力が弱くなってしまうと、小趾荷重しやすくなります。

腓骨筋の機能低下の原因の一つとして関与が大きいのが、足関節の内反捻挫です。

内反捻挫によって、腓骨筋に隣接する外側側副靱帯が損傷されると、疼痛回避の為に足関節を動かさなくなる不動期間や、滑走性障害によって腓骨筋の機能も低下してしまいます。

同時に、外側側副靱帯の強度が低下することも、内がえしの制動力が低下する原因です。

②下腿の外旋

下腿外旋位では、足関節を構成している距骨も外旋位となり、外側の組織が伸張される形となるので、小趾側に荷重されやすくなります。

他にも、大腿二頭筋や大腿筋膜張筋など、腓骨や脛骨の外側部に付着している、大腿部の外側筋群の伸張性が低下することでも、下腿が外旋方向に引っ張られてしまいます。

③股関節の外旋

股関節が外旋していることでも、下腿や足関節が外側方向に牽引され、小趾荷重になってしまいます。

その原因として考えられるのが、股関節外旋筋群の伸張性の低下に加え、大腿骨の前捻角の問題。

前捻角とは、大腿骨体と大腿骨頭に存在する回転のことで、正常では約15度前捻しています。

ところが、前捻角が10度以下の後捻している状態だと、関節の適合性を高めるために、股関節の軽度外旋位が中間位になります。

大腿骨の後捻は骨構造の問題なので、筋をストレッチしたり、鍛えたりして改善することは期待できません。

ただし、股関節外旋位で長年生活していることで外旋筋群が硬くなっている可能性があるので、その分はストレッチ等で改善が見込めそうですね。

ピラティスによる改善アプローチ

ここまでお伝えしてきたように、ピラティスリフォーマーでのフットワークで小趾荷重になってしまう原因は、「足関節の内がえし制動力低下」、「下腿の外旋」、「股関節の外旋」などが考えられます。

フットワークは仰臥位で行うエクササイズのため、クライアントが自分のフォームを確認できないという点も、エラー動作につながっています。

そのため、クライアントが自分のフォームを視認しやすい、ピラティスチェアでのシーテッドレッグパンプスなどで、事前に正しい動きを確認しておくのも一つ。

足関節の内がえしを制動する腓骨筋も活性化できて一石二鳥ですね!

その他にも、下腿の外旋に作用する大腿二頭筋や大腿筋膜張筋、股関節の外旋に作用する臀部筋群を先にストレッチしておくと良いと考えられます。

これらのアプローチの後にピラティスリフォーマーでのフットワークへとつなげ、さらに「Re-arch foot」を活用すると、自然と母趾球へと荷重することができるので、大変オススメです!

今回は、ピラティスリフォーマーのフットワークで生じやすい、「小趾球荷重」のエラー動作の原因と改善アプローチについて解説いたしました。

エラー動作が生じる原因からひも解くことで、改善アプローチが見えてきますので、その他のエクササイズでも、「なぜそうなるのか?」ということを考えながら、介入してみてください!

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最後までお読み頂き、ありがとうございました。

理学療法士
中北貴之

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