僧帽筋下部線維の活性化に効果的なピラティスリフォーマーエクササイズ
こんにちは。
ピラティスマシンFactoryです。
今回は、肩甲骨の安定性向上、巻き肩姿勢の改善に重要な筋として注目されることの多い、僧帽筋下部線維を活性化させるピラティスリフォーマーエクササイズをご紹介いたします。
僧帽筋の解剖
僧帽筋は、後頭部や脊椎から肩甲骨や鎖骨に広く付着している筋です。
面積の広い筋で、部位によってそれぞれ作用が異なり、上部・中部・下部線維の3つに分かれています。
僧帽筋上部線維

・起始部:後頭骨や頸椎の靱帯
・停止部:鎖骨
・作用 :肩甲骨の内転・挙上・上方回旋
僧帽筋中部線維

・起始部:第1~6胸椎の棘突起
・停止部:肩甲骨の肩峰と肩甲棘
・作用 :肩甲骨の内転
僧帽筋下部線維

・起始部:第7~12胸椎の棘突起
・停止部:肩甲骨の肩甲棘
・作用 :肩甲骨の内転・下制・上方回旋・後傾
僧帽筋全体では、後頭骨から第12胸椎まで起始部があり、かなり面積の広い筋ですね。
ちなみに、僧帽の意味は修道僧が被っていた帽子の形に似ていたため名付けられたみたいです。
日本では修道僧をあまり見ないためピンときませんが、写真を見てみると確かに形が似ていますね!

それでは、今回主役となる僧帽筋下部線維の作用について、より詳しく確認していきましょう。
巻き肩姿勢と僧帽筋下部線維

デスクワーク中になりやすい巻き肩姿勢。
この時の肩甲骨のアライメントは、「外転・挙上・前傾」していることが多くあります。
この時点で「あれ?」と思った方がいるかもしれませんね。
そうです、僧帽筋下部線維の作用は、肩甲骨の「内転・下制・上方回旋・後傾」なので、巻き肩姿勢の人は反対方向に肩甲骨の位置が崩れているんです!!
胸部筋群や僧帽筋上部線維などが肩甲骨を外転・挙上・前傾方向に引っ張り、僧帽筋下部線維は不活性な状態になっていると考えられます。
そのため、僧帽筋下部線維を活性化して肩甲骨の位置を整えることが、巻き肩改善に重要だというわけですね。
僧帽筋下部線維を活性化させるポイント
僧帽筋下部線維の重要性をご理解頂いたところで、僧帽筋下部線維を活性化させるコツをご紹介いたします。
「肩関節の屈曲および外転90°以降」で筋活動が高まると言われている僧帽筋下部線維は、腹臥位、四つ這い位、膝立ち位などでの上肢の挙上動作で活性化されます。
スワンやバードドッグなどが、一般的によく行われるエクササイズとして有名ですね。
もちろん、これらのエクササイズでも効果的に僧帽筋下部線維を活性化することができますが、抗重力位での運動もオススメです。
なぜなら、私たちは座位や立位で姿勢の崩れを感じることが多いからです。
腹臥位や四つ這い位といった従重力位での動作に慣れてきたら、膝立ち位や立位などの抗重力位での動作に発展させていきましょう。

ピラティスリフォーマーを活用したショルダーサークル
抗重力位での僧帽筋下部線維を活性化させるエクササイズとしてオススメなのが、トールニーリングショルダーサークル。

トールニーリングショルダーサークルでは、前方と後方から肩を回す方法がありますが、僧帽筋下部線維の活性化を目的とする場合は、前方から肩を回す方が効果的です。
その際、肩関節を90度以上屈曲させるようにしましょう。
ピラティスリフォーマーを活用したトールニーリングショルダーサークルでは、腹臥位や四つ這い位に比べ、支持基底面が狭くて重心位置が高い状態で動作を行うので、姿勢保持のために腹筋群や股関節をはじめとした体幹筋群も同時に活性化することができます。
スプリングが強すぎると、肩甲骨が挙上して効果的に僧帽筋下部線維が刺激されないので注意しましょう。
今回は、僧帽筋下部線維を活性化させるピラティスリフォーマーエクササイズとして、トールニーリングショルダーサークルをご紹介いたしました。
肩甲骨の安定性向上、巻き肩姿勢の改善に重要な筋として重要な僧帽筋下部線維。
スワンやバードドッグなどの従重力位での動作に慣れてきたら、抗重力位での動作へと発展させ、日常生活でも活用できるようにしていきましょう!
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最後までお読み頂き、ありがとうございました。
理学療法士
中北貴之