エクササイズ

鼻呼吸のメリットとピラティスリフォーマーエクササイズ

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呼吸はヒトが生きていくために必要不可欠な運動です。

一般的に、口呼吸に比べて鼻呼吸が推奨されることが多くありますが、鼻呼吸にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

今回は鼻呼吸で得られる3つのメリットについて解説いたします。

鼻呼吸のメリット①:免疫機能の向上

人体への鼻呼吸の最大のメリットは、何といっても免疫機能の向上です。

鼻には細菌やウイルス、ゴミといった異物を体内に入れないための防御システムが備わっています。

1つ目は物理的な防御システムで、「鼻毛・鼻汁・線毛・タイトジャンクション」です。

鼻の最前線では鼻毛が異物の侵入を防いでおり、ホコリっぽい場所で生活していると鼻毛がよく伸びるなんて言われたりもしますね。

口呼吸の人は鼻毛が伸びるのが遅いのかな?なんて考えてしまいますが、どうなのでしょうか。

さらに奥に進むと鼻汁が待ち構えています。

鼻汁に絡めとられた異物は線毛によって鼻の外へと排出されます。

鼻汁は異物の除去だけではなく加湿にも使われますが、その分泌量は1日1リットルにも及ぶそうです。

これらの防御システムに加え、細胞同士が密着して異物の侵入を防ぐ、タイトジャンクション機能も免疫機能の向上に役立っています。

ただ、喫煙によってタイトジャンクションが弛むという報告もあるので、免疫機能の低下は喫煙のデメリットの1つですね。

2つ目が白血球と常在菌による防御システム。

鼻腔の奥にある上咽頭という部分には、異物除去に活躍するM細胞や、貪食した異物をリンパ球に教える樹状細胞といった、白血球が存在しています。

上咽頭はウイルスや細菌が溜まりやすい場所なので、インフルエンザの検査では上咽頭部分をグリグリして検体を採取するんですね。

あのグリグリされる時の恐怖は忘れられません・・・。

さて、鼻腔には白血球だけではなく、他にも表皮ブドウ球菌黄色ブドウ球菌といった常在菌がいて、他の菌が生着しないように侵入を阻んでくれています。

これらの防御システムが口呼吸では得られないので、口呼吸の方が鼻呼吸に比べて風邪をひきやすくなると考えられますね。

鼻呼吸のメリット②:一酸化窒素の取り込み

気管支や血管の拡張作用、殺菌作用を有する一酸化窒素は、健康を維持するために非常に重要な成分です。

副鼻腔の線毛細胞によって産生されている一酸化窒素は、細菌を破壊してくれるので、前述の免疫機能にも大いに関わっています。

その他にも、一酸化窒素は内臓や血管を動かす筋肉である平滑筋を弛緩させ、血管を柔らかく保つ作用があります。

一酸化窒素は血管からも産生されますが、せっかくなら副鼻腔からの一酸化窒素も取り込んで、動脈硬化を予防した方がいいですよね。

なお、吸気時の一酸化窒素濃度は、口呼吸に比べて鼻呼吸では数十倍も高くなることが報告されており、健康維持のために鼻呼吸がいかに大切なのかが分かります。

鼻呼吸のメリット③:換気効率が良くなる

吸息によって酸素を取り込み、呼息によって二酸化炭素を体外に排出することを換気といいます。

一般的な成人の1回の吸気量は500mlで、そのうち150mlはガス交換に関与しない解剖学的死腔という部分で脱落するので、肺胞に到達できるのは350ml程度です。

浅い呼吸になれば吸気量が低下するので、肺胞に届く酸素量がさらに減少するわけですね。

それなら呼吸回数を増やせばいいじゃないか!

と思われるかもしれませんが、具体的な数字で考えてみましょう。

例:どちらの方が換気効率が良いでしょうか?

 ①1回換気量:250ml、呼吸数/分:20回
 ②1回換気量:500ml、呼吸数/分:10回 

一見すると1分間の換気量は同じになりそうですが、実は全然違うんです。

 ①(換気量250ml-解剖学的死腔150ml)×呼吸20回=2,000ml
 ②(換気量500ml-解剖学的死腔150ml)×呼吸10回=3,500ml

なんと、たった1分間で1,500mlもの差が出てしまいます。

健常人であればここまでの差はないかと思いますが、口呼吸では気道抵抗が少ないため浅く速い呼吸になりやすいので、大なり小なり同様の現象が起こりますので、1回あたりの呼吸の効率を考えても、鼻呼吸がいかに優れているのかが分かります。

「換気効率が悪い→浅くて速い呼吸になる→換気効率が悪い」という悪循環にならないようにしたいですね。

このように、口呼吸に比べて鼻呼吸には多くのメリットがありますが、不良姿勢になると適切な鼻呼吸が行えなくなる可能性があります。

なぜかというと、舌の位置が下がってしまうからです。

舌は上顎にぴったりと付いている状態が理想ですが、不良姿勢になって頭が前に出ると、舌が下がってしまいます。

そうすると、気道が狭くなるので、たくさん息を吸おうとして口呼吸になりやすくなってしまうんです。

そのため、頭が前に出た不良姿勢を治すことが、適切に鼻呼吸を行うためには大切です。

そこでオススメのピラティスリフォーマーエクササイズが、プル&アームサークル

ピラティスリフォーマーを活用したプル&アームサークル

ピラティスリフォーマーを活用したプル&アームサークルでは、頭部を適切な位置に保つために働く背筋群の活性化に効果的です。

頭が前に出た不良姿勢の方は、適切な頭の位置の認識がズレてしまっていることがあります。

そのような場合は、まずは適切な頭の位置を知覚してもらいながら実施してください。

適切な姿勢を保つことができたら、肩関節の分回し運動を行い、肩関節の深部感覚受容器も活性化していきましょう。

胸椎の伸展が上手く行えない方には、スワンなどで胸椎伸展の動きを引き出してから行って頂くのがオススメです。

今回は、鼻呼吸のメリットについて解説いたしました。

鼻呼吸は身体にとって多くのメリットがありますが、姿勢が崩れていると適切な鼻呼吸が行えない可能性が考えられます。

ピラティスリフォーマーを活用したプル&アームサークルで姿勢を改善し、身体のコンディションを整えていきましょう!

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最後までお読み頂き、ありがとうございました。

理学療法士
中北貴之

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