エクササイズ

肩関節の動きを良くするピラティスチェアエクササイズ

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コンディショニングエクササイズでは、ロールアップロールダウンやスワンなど、肩関節を最大屈曲させる種目が多くありますので、肩関節を適切に屈曲できることは安全かつ効果的にエクササイズを行う為に大切です。

今回は肩関節屈曲の動きを良くするピラティスチェアエクササイズを、機能解剖とあわせてご紹介いたします。

肩関節複合体

肩関節は一つの関節ではなく、肩甲上腕関節、肩鎖関節、胸鎖関節、肩甲胸郭関節、第2肩関節といった5つの関節の総称で、複合体として機能している関節です。

「肩甲上腕関節、肩鎖関節、胸鎖関節」のことを解剖学的関節、「肩甲胸郭関節、第2肩関節」は関節包のような関節構造体はないけれど、関節の役割をしているので機能的関節と呼びます。

肩関節複合体の中でも動きの中心となるのが、肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節。

特に肩甲上腕関節は人体で最も大きい可動域を有する関節のため、肩関節の動きが求められる種目では、肩甲上腕関節に動きの制限があると適切にエクササイズを遂行できなくなってしまいます。

肩関節屈曲に必要な動き

それでは、肩関節の屈曲に必要な骨の動きを確認していきましょう。

肩関節屈曲時は、
・上腕骨の屈曲&外旋
・肩甲骨の上方回旋&内転&後傾
・胸椎の伸展
・鎖骨の挙上&後退&後方回旋

という動きが生じます。

先述のとおり、肩関節複合体の中でも肩甲上腕関節が最も可動性が求められますので、上腕骨の屈曲と外旋の動きが制限されると、適切な肩関節の屈曲は遂行できません。

実は、この上腕骨の屈曲と外旋という両方の動きを制限する筋肉があります。

それが広背筋です。

広背筋の機能解剖

広背筋は骨盤から上腕骨まで付着している非常に大きな筋肉です。

筋肉の起始部は骨盤だけでなく、肋骨、肩甲骨、胸腰筋膜を介して胸椎にも付着しています。

広背筋は肩関節の伸展&内旋&内転に作用するので、硬くなるとダイレクトに肩関節の屈曲や外転といった挙上動作の制限となる筋肉です。

また、脊柱の伸展、骨盤の前傾にも働く筋肉なので、広背筋をストレッチするときは、
・肩関節の屈曲&外旋
・脊柱の屈曲
・骨盤の後傾

といった動きを組み合わせると効果的です。

そこでおすすめのエクササイズが、ピラティスチェアを活用したハーフニーリングサイドリーチ&ラットストレッチ

ピラティスチェアを使ったハーフニーリングサイドリーチ&ラットストレッチ

ハーフニーリングサイドリーチ&ラットストレッチは、「肩関節の屈曲&外旋+脊柱の屈曲+骨盤の後傾」を組み合わせたポーズをとるので、広背筋のストレッチにはうってつけです!

また、広背筋をストレッチしている側と反対の手でフットペダルを押すので、腹斜筋や前鋸筋を促通することができ、反対側の肩甲胸郭関節の機能向上にもつながります。

エクササイズ前後に肩関節屈曲動作のモニタリングを行うと、変化が分かりやすいかと思います。

エクササイズのポイントとしては、フットペダルを押している側の肩のシュラッグや、肩関節の屈曲に伴うリブフレアに注意して行いましょう。


今回は、肩関節の屈曲の動きを良くするピラティスチェアエクササイズとして、ハーフニーリングサイドリーチ&ラットストレッチをご紹介いたしました。

ロールアップロールダウンやスワンなどのコンディショニングエクササイズだけでなく、ショルダープレスやラットプルダウンといった筋力トレーニングでも肩関節の屈曲が求められる場面は多くあります。

先に広背筋をストレッチして肩関節を屈曲しやすい状態にしてから、それらの種目につなげていくと、安全で効果的にエクササイズを行うことができますね!

「Pilates as Conditioning Academy」では、10~15分の動画で、エクササイズの効果の解説や、現場でよくある代償動作の修正方法、リグレッションやプログレッションについてもご案内しています。

さらに詳しく学び、ピラティス指導に活用していきたいという方、ピラティスの資格取得をお考えの方は、「Pilates as Conditioning Academy」もぜひご覧ください。

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最後までお読み頂き、ありがとうございました。

理学療法士
中北貴之

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