エクササイズ

ピラティスリフォーマーを活用した膝関節の安定化エクササイズ

Pilates-machine

変形性膝関節症は高齢者において頻度の高い運動器疾患で、2007年の厚生労働省の報告では、自覚症状を有する膝OA患者は約1,000万人、潜在的な患者数までを含めると約3,000万人もいると推定されており、コンディショニング指導の現場でも多く遭遇する疾患の一つですね。

今回は、ピラティスリフォーマーを活用した膝関節の安定化エクササイズをご紹介いたします。

膝関節は不安定な構造

膝関節は大腿骨、脛骨、膝蓋骨の3つの骨により構成され、脛骨と大腿骨からなる脛骨大腿関節と、膝蓋骨と大腿骨からなる膝蓋大腿関節が関わっています。

膝関節の特徴の一つが、不安定な骨構造だということ。

特に脛骨大腿関節は、ほぼ平坦な脛骨の上に、人体で最も大きな骨である大腿骨が乗るような形で構成されています。

同じ荷重支持関節である股関節の構造と比べてみても、骨による安定性の違いは一目瞭然です。

このような骨性の不安定さを補うようにして存在するのが、筋肉や靱帯、そして半月板といった軟部組織です。

運動による摩耗や加齢に伴い、靱帯の弛みや半月板の変性が生じると、膝関節の安定性は損なわれて機能低下や痛みにつながっていきます。

靱帯や半月板は自分の意思でコントロールできる組織ではありませんので、運動による組織の修復は困難です。

しかし、筋肉は鍛えることができますので、コンディショニングエクササイズの出番ですね!

膝関節の安定性に重要な内側広筋

膝関節の安定性に関わる筋肉には、大腿四頭筋、ハムストリングス、膝窩筋、腓腹筋、薄筋、縫工筋など多くの筋肉があります。

なかでも、大腿四頭筋は脛骨大腿関節と膝蓋大腿関節の両方の安定性に関与している非常に大きな筋肉で、特に重要な役割を担っていると言っても過言ではありません。

テレビや雑誌などでも大腿四頭筋の名前はよく出てきますよね。

大腿四頭筋は“四頭筋”という名称の通り4つの筋肉の総称で、「大腿直筋」「外側広筋」「中間広筋」「内側広筋」によって構成されています。

このうち、膝蓋骨を内側方向に牽引する作用を有するのが内側広筋だけなので、膝関節の安定性では内側広筋の活性化がポイントになります。

内側広筋の一部は大内転筋に付着しているため、股関節外転位での膝関節の伸展エクササイズが内側広筋の活性化には効果的です。

なぜ股関節外転位が効果的かというと、大内転筋が伸張されることで張力が高まり、内側広筋も促通されやすくなる為だと考えられています。

そこでおすすめのピラティスリフォーマーエクササイズが、ローオブリークレッグプレス。

ピラティスリフォーマーを活用したローオブリークレッグプレス

ローオブリークレッグプレスは、股関節外転位で膝関節の伸展運動を行うので、前述のとおり内側広筋の活性化に効果的です。

同時に臀筋群も促通されるので、膝関節の安定性に大きく影響している股関節の機能向上にもつながります。

さらにさらに、姿勢維持に大切な肩甲骨周囲の筋肉も促通されるので、一石三鳥のエクササイズですね!

エクササイズのポイントとしては、下腿が外旋位になりやすいので、膝蓋骨とつま先の向きを揃えるようにしましょう。


今回はピラティスリフォーマーを活用した膝関節の安定化エクササイズとして、ローオブリークレッグプレスをご紹介いたしました。

膝を痛めてしまうことで、歩行や階段昇降などの日常生活で制限が生じるだけでなく、登山やスポーツなどの趣味を存分に楽しむことが出来なくなる可能性もありますよね。

障害が生じやすい部位だからこそ、しっかりとコンディショニングしていきましょう!

「Pilates as Conditioning Academy」では、10~15分の動画で、エクササイズの効果の解説や、現場でよくある代償動作の修正方法、リグレッションやプログレッションについてもご案内しています。

さらに詳しく学び、ピラティス指導に活用していきたいという方、ピラティスの資格取得をお考えの方は、「Pilates as Conditioning Academy」もぜひご覧ください。

いまフリー会員登録して頂いた方には、10本の無料動画をプレゼントしております!

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

理学療法士
中北貴之

ABOUT ME
Pilates-machine
Pilates-machine
記事URLをコピーしました