エクササイズ

ピラティスリフォーマーを使った前庭覚の活性化エクササイズ

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今回は神経学的なお話を交えながら、ピラティスリフォーマーの活用方法をご紹介いたします。

ぜひ最後までご覧ください♪

運動に大切な感覚器

私たちが関節を動かすためには筋肉の収縮が必要ですが、その筋肉に「収縮しろ~」と信号を送っているのが脳や脊髄といった中枢神経系です。

中枢神経系は、私たちが置かれている状況に合わせて最適な運動が行われるように、筋肉に信号を送っています。

では、中枢神経系が適切な状況判断をするために、どこから情報を得ているのでしょうか?

それが、今回のテーマである前庭覚を含む「感覚器」です。

感覚器は大きく「特殊感覚」と「一般感覚」に分類されます。

特殊感覚は嗅覚・視覚・聴覚・前庭覚・味覚のことで、一般感覚はさらに体性感覚と内臓感覚に分けられます。

いずれの感覚情報も私たちの生命維持には不可欠なものですが、運動や姿勢のコントロールに大きく影響しているのが、体性感覚・視覚・前庭覚です。

体性感覚によって「皮膚に何かが触れている、関節がどう動いている」などの情報を、視覚では目で見た情報を、前庭覚では頭の傾きや加速の情報を感知しています。

これらの感覚情報が脳へと送られて、脳は自分自身がどうなっているのか、自分の周りの空間はどうなっているのかを統合して判断し、適切な行動が実行されるように筋肉へと司令を送っています。

そのため、私たちが円滑に動作を行うために感覚器の精度はものすごく重要なんです。

もしも、皆さんが初めて行くお店をスマートフォンの地図アプリで検索したとします。

その際に、GPSの精度が低くて全然違うところを目的地として表示されていたら、ちゃんとお店にたどり着くことが出来ませんよね。

同様に、身体をスムーズに動かす為には感覚器が適切に情報を感知し、脳に信号を送り届けることが必要です。

前庭覚の機能

前庭覚は平衡感覚とも呼ばれ、内耳にある前庭器官が刺激されて生じる感覚のことです。

前庭器官には頭部の回転運動を感知する半規管と、直線加速度や頭部の傾きを感知する耳石器があります。

三半規管という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、三半規管とは「前・後・外」の三つの半規管のことで、それぞれ頭部の前方回転、後方回転、水平回転を感知しています。

もう一つの耳石器には、電車のような水平の直線加速度を感知する卵形嚢と、エレベーターのような上下の直線加速度を感知する球形嚢があります。

つまり、前庭覚を活性化するには、頭部の回転運動や頭部を加速させるような運動が効果的です。

そこでオススメなのがピラティスリフォーマーを活用したジャンプエクササイズ

ジャンプエクササイズでは耳石器が刺激されることはもちろん、やり方を工夫することで前庭覚をより一層活性化することができます。

ピラティスリフォーマーを活用したジャンプエクササイズ

ジャンプをするなら、わざわざピラティスリフォーマーを使わなくてもいいのでは?と思うかもしれませんが、ジャンプして着地する時の身体への衝撃はかなりのものです。

その衝撃は、なんと体重の5~6倍も加わると言われています。

普段からトレーニングを積んでいるアスリートならいざ知らず、いつもはデスクワークをしている人がジャンプをするのは、ケガのリスクが高すぎますよね。

そこでピラティスリフォーマーの出番です。

ピラティスリフォーマーを使えば着地時の負荷をかなり軽減できるので、一般の方でも安全に行うことができます。

ただ、全く衝撃が加わらないわけではないので、足首や膝、股関節や腰などに痛みがある方への実施には注意しましょう。

さて、ジャンプエクササイズだけでも耳石器が刺激されて前庭覚の活性化になりますが、前庭覚は眼球運動とセットで働くという特徴があるので、ジャンプしながらボールをタッチしてもらうなど、眼球運動の要素も取り入れると、より一層前庭覚が刺激されます。

ピラティスリフォーマーを活用したジャンプエクササイズは、かなり腹筋も使うので、コアの安定性を高めたいという方にもオススメです!


今回は、前庭覚の活性化にオススメの運動として、ピラティスリフォーマーを活用したジャンプエクササイズをご紹介しました。

前庭覚は、頭部の回転運動を感知する半規管と、直線加速度や頭部の傾きを感知する耳石器といった前庭器官を刺激することで活性化されます。

一日中デスクワークをしたり動画を観たりしていると、前庭器官への刺激は減り、感覚器としての精度が低下してしまう可能性が考えられます。

普段から歩行や運動が不足気味の方には、ピラティスリフォーマーを活用したジャンプエクササイズはとてもオススメの運動です!

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さらに詳しく学び、ピラティス指導に活用していきたいという方、ピラティスの資格取得をお考えの方は、「Pilates as Conditioning Academy」もぜひご覧ください。

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最後までお読み頂き、ありがとうございました。

理学療法士
中北貴之

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