エクササイズ

身体の左右差改善に効果的なピラティスリフォーマーエクササイズ

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コンディショニング指導をしていると、「骨盤のゆがみが気になる」、「肩の左右差を無くしたい」など、身体の左右差を改善したいというお声を頂くことが多くありますよね。

そこで今回は、身体の左右差改善に効果的なピラティスリフォーマーエクササイズとして、「レジスタンスラテラルきゃっとばっく」をご紹介いたします。

まずは身体の左右差改善のポイントから確認していきましょう。

左右差改善のポイントは肋骨!

身体の左右差が気になる部分は人によって異なるので、それぞれの部位をしっかりと評価することが大切ですよね。

ただ、どのような場合でも介入することが多いのが「肋骨」です。

肋骨は体幹部分の多くの面積を占めており、誰もがご存知の腹筋群が付着している部分でもあります。

腹筋群は四肢の運動に先立って姿勢を安定させるために働くので、身体機能に大きく影響します。

腹筋群が付着している肋骨に左右差が生じると、どちらか一方の腹筋群の活動が低下してしまうことになり、身体の左右差につながるということですね。

肋骨の機能解剖

それでは、左右差改善のポイントになる肋骨の機能解剖について簡単にお伝えいたします。

肋骨は12対あり、部分ごとに呼び名があります。

第1~7肋骨
真肋と呼ばれ、胸軟骨や肋軟骨を介して胸骨に付着。

第8~10肋骨
仮肋と呼ばれ、直上の肋軟骨に付着。

第11、12肋骨
浮遊肋と呼ばれ、腹側には付着がなく浮遊している状態。

このような付着部位をベースにした分類の他、運動学的な違いから「第1~6肋骨を上位肋骨」「第7~10肋骨を下位肋骨」に分ける考え方もあります。

上位肋骨は肋椎関節の運動軸が前額面に近いため、吸気時に前後径が増加することから、ポンプハンドルアクションという動きが生じます。

一方、下位肋骨の肋椎関節の運動軸は矢状面に近いため、吸気時には横径が増加し、バケツハンドルアクションと呼ばれる動きになります。

肋椎関節は胸椎と肋骨によって構成される関節で、脊柱の動きにも大きく関与している部分です。

肋骨の左右差は脊柱の動きにも影響するということですね。

さて、続いては肋骨の動きについても確認しましょう。

肋骨には内旋と外旋いう回旋運動が生じます。

内旋というのは肋骨を前側から見た時に下方へ回旋する動きで、外旋は反対に上方へ回旋する動きのことです。

肋骨の左右差の評価では、内旋位なのか外旋位なのかのチェックが重要です。

肋骨の左右差の評価方法

今回は「コスタルアングル」という肋骨の評価方法の一つをご紹介いたします。

コスタルアングルは、左右の第10肋骨により構成される角度を評価する方法で、肋骨下角や胸骨下角といった呼び方もあります。

コスタルアングルの目安としては80~90度で、80度よりも角度が小さければ肋骨内旋傾向、90度よりも大きければ肋骨外旋傾向と判断します。

ただ、ここで大事なのが左右の肋骨が構成する角度だけではなく、左右の対称性です。

正中線から離れている側が肋骨外旋位にあり、正中線に近づいている側が肋骨内旋位にあると考えられます。

仮にコスタルアングルが90度で正常値だとしても、右側が正中線から30度、左側が正中線から60度であれば、かなりの左右差があり正常とは言い難いですよね。

そのため、コスタルアングルを評価する際は、必ず左右の対称性もチェックしましょう。

レジスタンスラテラルきゃっとばっくのポイント

コスタルアングルを評価して左右差があった場合におすすめのピラティスリフォーマーエクササイズが、レジスタンスラテラルきゃっとばっく

レジスタンスラテラルきゃっとばっくは、リフォーマーを活用して「きゃっとばっく」を行うことで、スプリングの力によって側屈や屈曲の動きに対して抵抗が加わり、腹筋群の促通や肩甲帯の安定性向上に効果的です。

腹筋群を促通することで肋骨を内旋方向に誘導できるので、コスタルアングルで外旋位になっている方を多めに行うことで、肋骨の左右差改善につながります。

エクササイズフォームの習得難易度はやや高めなので、運動に慣れてきたクライアントに実施すると良いかと思います。

肩のシュラッグや脊柱の伸展といった代償動作があると腹筋群が上手く活性化されないので注意しましょう。

そのような場合は、サイドプランクなどのエクササイズに変更して肋骨の内旋を促すようにしてみてください。


今回は、身体の左右差改善に効果的なピラティスリフォーマーエクササイズとして、「レジスタンスラテラルきゃっとばっく」をご紹介いたしました。

肋骨の左右差を改善するとても効果的なエクササイズなので、レッスンに慣れてきたクライアントにぜひ実施してみてください!

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最後までお読み頂き、ありがとうございました。

理学療法士
中北貴之

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