エクササイズ

腰の負担軽減にオススメのピラティスチェアエクササイズ

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日本人の約80%が生涯に一度は経験すると言われる腰痛。

四つ這い移動から直立二足歩行へと進化を遂げた人類にとって、重力による脊柱へのストレスは避けては通れない道なのかもしれません。

今回は、脊柱へのストレスを減らして、腰の負担を軽減するのにオススメのピラティスチェアエクササイズを、機能解剖を交えながらご紹介いたします。

脊柱の弯曲と抵抗力

他の記事でもお伝えしていますが、脊柱には生理的弯曲といって3つのカーブが存在しています。

頸椎の前弯、胸椎の後弯、腰椎の前弯です。

これらのカーブがあることで、抗重力での脊柱に対する負荷への抵抗力を高めています。

下のイラストに示すように、脊柱のカーブの数によって抵抗力は変化しており、カーブの数が減少するほど抵抗力は低下します。

現代人に多い「スウェイバックとストレートネック」が組み合わさったような姿勢になると、脊柱本来の3つのカーブは2つへと減少してしまいます。

なお、ご高齢者に多い円背姿勢ではさらにカーブの数は減り、1つだけになってしまうこともあります。

余談ですが、胎児の脊柱には後弯しかなく、生後6ヵ月頃に頸椎が前弯して定頸し、生後12~18ヵ月頃に腰椎が前弯することで、ようやく起立することができます。

つまり、子どもは脊柱の3つのカーブが出来て、初めて立つことが出来るんです。

それほど、脊柱の生理的弯曲というのは、ヒトが直立姿勢や直立二足歩行をするために重要な要素だということが分かりますね。

ピラティスチェアを使ったスタンディングロールダウンの効果

このように、ヒトが抗重力活動を行うために重要な存在である、脊柱の生理的弯曲が失われてしまうと、腰への負担が大きくなります。

前述の通り、現代人に多い「スウェイバック+ストレートネック」の姿勢では、脊柱のカーブが減少し、腰への負担が増加しやすい状態なので、姿勢を整えることは腰への負担を減らすうえで非常に重要です。

そこでオススメなのが、ピラティスチェアを活用したスタンディングロールダウン

スタンディングロールダウンは、チェアのスプリングの抵抗に対してロールダウン動作を行うエクササイズです。

抵抗に対して自然と腹筋群の活動を促すことができ、相反抑制を利用して脊柱起立筋や広背筋といった、背部筋群の緊張を緩和することができます。

スウェイバック姿勢では、骨盤に対して腰椎から中位胸椎までが伸展位になっていることが多く、胸椎本来の後弯が上位胸椎へとズレることでストレートネック姿勢を招いています。

そのため、脊柱の伸展に作用する脊柱起立筋広背筋の過緊張を抑制することは、脊柱本来のカーブを取り戻し、腰への負担を軽減するためにとても大切です。

スタンディングロールダウンのポイント

それでは最後に、スタンディングロールダウンを行う際のポイントについて確認していきましょう。

エクササイズのポイント

①脊柱をエロンゲーションさせる。

②肩がすくまないようにする。

③前屈動作で腰痛がある場合は実施を避ける。

チェアのスプリングによる抵抗が加わるため、脊柱を圧縮するような形でロールダウンしたり、肩がすくんだりしやすいので、脊柱のエロンゲーションや、肩を開くイメージを持ちながら実施しましょう。

また、「③前屈動作で腰痛がある場合は実施を避ける」は、安全管理のうえで大切な確認項目で、腰椎椎間板ヘルニアの急性期や亜急性期であれば実施しない方がいいですし、前屈動作で痛みや不安感を訴えるクライアントに対しても行わないようにしましょう。


本日は、腰への負担軽減にオススメのエクササイズとして、スタンディングロールダウンをご紹介いたしました。

スタンディングロールダウンは腰への負担を減らすうえで、とてもオススメのエクササイズですが、どんなエクササイズにもメリットとデメリットがありますので、クライアントの状態に合わせてコンディショニング指導していきましょう。

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さらに詳しく学び、ピラティス指導に活用していきたいという方、ピラティスの資格取得をお考えの方は、「Pilates as Conditioning Academy」もぜひご覧ください。

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最後までお読み頂き、ありがとうございました。

理学療法士
中北貴之

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