エクササイズ

肩甲骨の機能を高めるピラティスリフォーマーエクササイズ

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肩甲骨は、頭頸部や肩関節の動きに関わる筋肉が多く付着しているため、姿勢や肩の動きにも大きな影響を及ぼす部分です。

今回は、肩甲骨の機能を高めるピラティスリフォーマーエクササイズを、肩関節の基本的な機能解剖も交えて、ご紹介いたします。

肩甲骨は肩関節の一部

一般的に“肩”というと、上腕骨の上部の辺りをイメージするかと思いますが、肩関節は、「上腕骨・鎖骨・胸骨・肋骨・肩甲骨」という5つの骨が構成しており、「肩甲上腕関節・肩鎖関節・胸鎖関節・肩甲胸郭関節・第2肩関節」といった複数の関節が存在します。

「肩甲上腕関節・肩鎖関節・胸鎖関節」は解剖学的関節と呼ばれ、いわゆる関節構造を有しています。

一方、「肩甲胸郭関節・第2肩関節」は、関節包のような関節構造体を有していないけれども、関節の役割を果たしていることから、機能的関節と呼ばれています。

なかでも、肩関節の動きの中心となるのが、肩甲上腕関節肩甲胸郭関節ですが、肩甲骨はどちらの関節にも関わっていることからも、その重要性が分かりますね。

肩甲上腕リズム

肩甲骨の動きが大切な理由の一つとして、肩甲上腕リズムがあります。

肩甲上腕リズムとは、肩甲骨と上腕骨の協調的な動きのことです。

ゆっくりとした自動外転運動では、外転30度までは上腕骨のみが動き、その後に肩甲骨の動きも生じるといわれています。

上腕骨と肩甲骨の動きの比率には個体差がありますが、「上腕骨:肩甲骨=2:1」という見解が一般的で、肩を180度挙上したら、120度は上腕骨、60度は肩甲骨が動いているということですね。

もしも、上腕骨の動きが阻害されると、肩甲骨や脊柱で動きをカバーする必要が出てくるため、上肢挙上時に肩がすくむような動きになったり、腰椎を過剰に伸展させたりする代償動作が見られます。

上腕骨の動きが悪くなる原因で多いのが、肩甲上腕関節での障害です。

肩甲上腕関節は、大きな可動性を有している関節なので、動きが悪くなると肩甲骨や脊柱で代償することになります。

ただし、そもそもの発端は、肩甲骨の動きが悪くなっていることが多く見られます。

まず最初に肩甲胸郭関節の動きが悪くなり、肩甲上腕関節が過剰に動くことで肩甲上腕関節に障害が生じ、その後、肩甲上腕関節が動かない分を肩甲胸郭関節や脊柱で代償する、といった流れです。

代償的な肩甲胸郭関節の動きは理想的な関節運動とはほど遠く、過剰な挙上や上方回旋が生じていることが多いので、そのような状態では、肩こりや首こりにもつながります。

肩甲上腕関節に障害が起きる前に、肩甲骨がしっかりと機能している状態を維持することが大切ですね!

肩甲骨の機能を高めるピラティスリフォーマーエクササイズ

それでは、肩甲骨の機能の重要性をご理解頂いたところで、ピラティスリフォーマーを活用した、肩甲骨の機能を高めるエクササイズをご紹介いたします。

今回はご紹介するのは、ニーリングサイドプランク

ニーリングサイドプランクは、肩甲胸郭関節の機能向上にとても効果的なエクササイズです。

ニーリングサイドプランクは、「骨盤-肩甲骨間部-頭部」が一直線になった姿勢を保ちながら、肩関節の内転-外転運動を行うエクササイズです。

力が抜けてしまうと肩のすくみや、脊柱の側屈といった代償動作が生じるので、姿勢を維持するだけでも、肩甲胸郭関節の安定化に関わる前鋸筋や腹斜筋は、かなり活性化されます。

肩関節外転に伴い負荷が強くなるエクササイズですが、リフォーマーを活用すると、スプリングの種類によって負荷の強弱を調整できるので、初心者から慣れている方まで、クライアントのレベルに合わせて実施することが出来ます。

特に、マットでのサイドプランクを楽々行えるようになったクライアントに対しての、プログレッションとして、大変オススメです!


本日は、肩甲骨の機能を高めるピラティスリフォーマーエクササイズとして、ニーリングサイドプランクをご紹介いたしました。

肩甲骨が適切に機能することは、肩関節の動きの向上や、姿勢改善にもとても重要ですので、ぜひ実施してみてください!

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最後までお読み頂き、ありがとうございました。

理学療法士
中北貴之

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