片脚立ちの安定性を高めるピラティスチェアエクササイズ
歩行やランニング、階段昇降など、日常生活で片脚立ちが必要になる場面は多くありますよね。
片脚立ちの安定性低下は、関節への負担の増加やアライメントの崩れにもつながります。
片脚立ちでは、「股関節・膝関節・足部」といった下肢の各部位が適切に機能することが大切です。
今回は、その中でも足部機能に注目し、片脚立ちを安定させるために効果的な、ピラティスチェアを活用したエクササイズをご紹介いたします。
足部の内在筋と外在筋
足部は、立位において唯一地面と接している部分なので、足部機能は片脚立ちにおいて非常に重要です。
足部機能で大切な筋肉は、内在筋と外在筋に大別されます。
内在筋とは、起始部と停止部が、距腿関節よりも遠位(踵骨から末節骨)にある筋肉のことを指します。
例えば、踵骨から趾骨に付着している母趾外転筋や短趾屈筋などです。
一方、外在筋とは、停止部は内在筋と同様に距腿関節よりも遠位部にあるものの、起始部が脛骨や腓骨といった距腿関節よりも近位部の骨にある筋肉のことです。
後脛骨筋や長腓骨筋などが外在筋に該当します。
内在筋と外在筋は、どちらも足部のアーチを保持するために活動しているという共通点がありますが、外在筋は地面を蹴って推進力を生み出す場面でも活躍します。
『足部のアーチ機能向上におすすめのピラティスリフォーマーエクササイズ』
でもご案内しましたが、足部外在筋の後脛骨筋と長腓骨筋の協調した活動による、足部を安定化させるためのシステムのことをクロスサポートメカニズムといいます。
このクロスサポートメカニズムは、足関節底屈位における、回内や回外の制御、後足部の安定、アーチの引き上げなどに関与し、歩行においてはプッシュオフの場面とても重要な役割を担っています。
後ほどご紹介するエクササイズは、このクロスサポートメカニズムの適正化を目的としている部分もありますので、頭の片隅に入れておいて頂けると幸いです!
足部内在筋の活性化
続いては、足部の内在筋エクササイズについてです。
内在筋のトレーニングとしては、タオルギャザーエクササイズや、足趾のグーパーエクササイズなどが有名ですが、実は片脚で立つだけでも足部の内在筋は活性化されるんです。
つまり、片脚立ちで行うエクササイズの多くは、足部内在筋の活性化につながります。
ただし、この片脚立ちのエクササイズにおいて、外してはいけないチェックポイントが、足部のアライメントです。
後足部中間位で片脚立ちを保持することで、内側と外側の内在筋がバランスよく活性化されますが、アライメントが崩れた状態では、どちらかが過剰に働き、一方はサボってしまいます。
そのような状態にならないようにオススメなのが、今回ご紹介するスタンディングレッグパンプスです!
ピラティスチェアを使ったスタンディングレッグパンプス
いきなり片脚で複雑な種目を行うと、適切なアライメントを保てないことがありますが、スタンディングレッグパンプスだと、重心の移動が少ないうえ、最初は手でサポートしながらバランスを保つことも可能なので、適切なアライメントを保持しやすくなります。
そのため、片脚立ちでの種目に不慣れな方や、複雑な種目の前にウォーミングアップとして実施するのに、大変オススメです。
さらに、遊脚側の足関節を底屈位で行うことで、前述のクロスサポートメカニズムに関わる、後脛骨筋や長腓骨筋を活性化することもできます。
遊脚側の足部は外在筋を、支持側の足部は内在筋のトレーニングができるので、まさに一石二鳥ですね!
なお、遊脚側の足部についてもアライメントが大切で、後脛骨筋は「足関節の底屈+内反」、長腓骨筋は「足関節の底屈+外反」の作用があるので、後足部は軽度回外位をキープするようにしましょう。
※足関節底屈位では後足部は軽度回外位になるため、中間位ではなくてOKです!
今回は、片脚立ちの安定性を高めるピラティスチェアエクササイズとして、スタンディングレッグパンプスをご紹介しました。
足部の安定性向上は、膝関節や股関節の機能向上においても重要ですので、大変オススメのエクササイズです!
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最後までお読み頂き、ありがとうございました。
理学療法士
中北貴之